どうもこんにちは、ザク男爵でございます。
「このマンション、夫婦2人の収入なら買えるのにな・・・ぐすん・・・」
手の届かないマンションでも、夫婦2人の力(収入)を合わせれば買えるとき、ありますよね?
夫婦2人でマンションを購入すると、マンションは共有名義となります。(収入合算をのぞきます)
マンションを共有名義にすることで、
- 1人では買えないマンションが買える。
- 住宅ローン控除が2人分になる。
- 相続税が軽減される。
などのメリットがあります。
「共有名義、意外といいんじゃない?」と思いますが、共有名義には大きなデメリット「離婚時に揉める」があるのです。
縁起でもないことで申し訳ございません。ですが、事実なのですよ。
そこでこの記事では、夫婦共働きでマンションを共有名義にするメリット・デメリットについて解説させて頂きます。
安易に共有名義にする前に、ぜひご覧下さいませ。
そもそも、共有名義ってなに?贈与となにが違うの?
夫婦でマンションを共有する・・・とは言っても、それは夫婦でマンションを一緒に使うことではありません。
夫婦2人でお金を出し合ってマンションを買うだけでは、贈与になる可能性もあります。
知ってそうで意外と知らない、共有名義・贈与について解説させて頂きましょう。
お金を出した人が、マンションの共有名義人になる
夫婦での共有名義とは、夫婦2人でお金を出し合ってマンションを買い、夫婦2人ともマンションの名義人(所有者)になることです。
たとえば5,000万円のマンションを、夫婦でお金を出し合って共同名義で購入すると、
妻:2,500万円→50%の持ち分
夫と妻、半分ずつマンションを所有していることになります。
このマンションは夫と妻、2人のモノであり、どちらか片方のモノではありません。
紛らわしいですが、夫(妻)がマンションの50%を所有している意味ではなく、あくまでも夫婦で共有している意味になります。
お金を出すだけでは、贈与になる
共有名義でなくても、夫婦2人のお金でマンションを買うケースもあります。
先ほどと同様に5,000万円のマンションを買うとき、
妻:頭金として、200万円の現金を夫に渡した。
こちらのケースでは、「妻は夫に200万円、贈与した」という扱いになります。
この場合では妻はマンションの共有名義人ではなく、マンションは夫の所有物になります。
またこのとき贈与した金額に税金(贈与税)がかかります。
※200万円にかかる贈与税は、「200万円-基礎控除110万円×10%=9万円」です。
夫婦ではなく、親(祖父母)から住宅資金として贈与される場合は、810万円までが非課税になります。(基礎控除110万円含む)
共有名義のデメリット
夫婦で共有名義でマンションを買えば、1人の収入では買えないマンションでも購入できます。
しかし安易に共有名義にするのはリスクが大きいです。
なぜなら共有名義でマンションを買うと、離婚したときに揉めるからでございます。
離婚したとき、揉める原因になる

きちんと考えておかなければならないことです。
これからマンションを買うというのに、縁起でもないことで申し訳ございません。しかし大切なことなのです。
夫婦2人で共有名義でマンションを購入すると、離婚したときに揉める原因になります。
- 夫婦の合意がないと、売れない。
- 一方的に出て行ったけど、支払いの義務がある。
- どちらかが引き続きマンションに住む場合、住宅ローン返済が増える。
離婚するときはお互いの関係も冷え切っており、話し合いも感情的になりがちです。
お互い感情的になっても法律は冷静なもので、共有名義人への支払いの義務は変わりません。
日本の離婚率は35%(平成27年度厚労省)ですので、離婚問題は決して他人事ではないのです。
私も結婚して家を買った1人として、戦々恐々でございます。
安易に共有名義になることは、とてもリスキーなことです。
夫婦二人がそれぞれ連帯保証人になるリスク
夫婦でマンションを共有名義で買う場合、夫婦それぞれが住宅ローンを組みます。
このときお互いが、それぞれの連帯保証人になるケースが多いです。
そのためどちらかの収入が減り、返済できなくなった場合、連帯保証人として肩代わりを求められるのです。
連帯保証人の義務は離婚後も続きますので、「離婚してからいつのまにか、住宅ローンの返済がまわってきた・・・」という悲しい結果になる可能性があります。
共働きが解消されたときの住宅ローン返済が厳しい
共有名義で2人で住宅ローンを借りれば、ハイグレードなマンションも買えます。
しかしこの返済は「夫婦共働き」が前提であり、共働きが解消されると住宅ローン返済がいっきにキツくなります。
- 妻が出産で休職、退職した。
- しばらく子育てに専念する。
- 夫がリストラにあっている。
- 夫がうつになってしまった。
人生はリスクだらけでございます。
ですので多少のリスクに出会っても大丈夫なように、余裕をもって住宅ローンを借りることが大切です。
ですが夫婦2人そろって住宅ローンをギチギチに借りてしまうと、ちょっとした刺激で破裂(破産)しかねません。
共有名義は買えなかったマンションに手が届く一方で、重大なリスクがあることを知る必要があります。
相続すると、共有名義人が増える
少し先の話になりますが、夫婦どちらかが亡くなってマンションを相続すると、共有名義人が増えてしまうデメリットがあります。
たとえば共有名義人である夫がなくなったとき、4人家族(夫婦+子供2人)だった場合の相続人(共有名義人)は、
- 妻
- 子供1
- 子供2
の、3人になります。子供が3人いれば共有名義人は4人になってしまいます。
代を重ねるごとに共有名義人は増えていき、最終的にはカオスで手がつけられなくなります。
共有名義のメリット
共有名義にはデメリットが多いものの、メリットもございます。
しかし結論から申し上げますと、デメリットの大きさに比べてメリットは小さいので、わざわざ共有名義を選ぶ理由は少ないです。
1人では買えないマンションも、夫婦2人の収入なら買える

夫婦で力を合わせることができます。
冒頭から申し上げているとおり、共有名義で夫婦2人で住宅ローンを借りれば、買えなかったマンションにも手が届きます。
住宅購入は金額の大きな買い物ですので、多くの方が「妥協して、後悔したくない!」と思っています。
そのため目の前に予算オーバーだけど理想のマンションがあったら・・・、つい無理して買ってしまうのですよ。
ちょっと無理なマンションも、夫婦2人の収入なら可能になります。
収入合算、ペアローン。夫婦2人の力を合わせれば、手の届かなかったマンションだって買えます。
多少(けっこう)リスキーではありますが、妥協して後悔することを考えると1つのメリットですよね。
住宅ローン控除が2人分受けられる
また共有名義にすると、住宅ローン控除が2人分受けられます。
住宅ローン控除とは、住宅ローンの借入額の1%が10年間控除される税制優遇です。
通常は住宅ローンを返済している1人しか控除されないところが、共有名義なら2人分受けられます。控除は最大80万円(年間)です。
ただし住宅ローン控除は、支払った税金が戻ってくるだけなので、
- そこまで税金を払っていない。
- 仕事をやめて収入がなくなった。
という場合では、メリットは小さくなってしまいます。
相続税が軽減される
こちらは先の話になりますが、共有名義でマンションを買った場合は相続税が軽減されます。
共有名義では、相手がもっていた持ち分だけの相続になり、マンションすべてを相続する場合(1人の名義)よりも相続税は軽くなります。
とは言えこのメリットを受けるのは先の話ですし、相続税対策のために共有名義を選ぶ必要性は低いでしょう。
まとめ:メリットよりデメリットの方が大きい
1人では買えないマンションでも、共有名義なら買えるかもしれません。
これは大きいメリットですが、デメリットも大きいので注意が必要です。
【共有名義のデメリット】
- 離婚したとき、揉める原因になる。
- 夫婦2人がそれぞれ連帯保証人になるリスク。
- 共働きが解消されたとき、住宅ローン返済がキツい。
- 相続すると、共有名義人が増える。
【共有名義のメリット】
- 1人では買えないマンションも、夫婦2人なら買える。
- 住宅ローン控除が2人分受けられる。
- 相続税が軽減される。
メリット・デメリットを並べてみると、やはりデメリットの破壊力が目立ちます。安易な共有名義はリスクが大きいです。
夫婦の収入を合わせる方法は、収入合算もございます。収入合算なら名義は1人です。
共有名義とあわせてご検討くださいませ。
素敵な住宅購入を。それでは、また!