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意外と怖い、夫婦共働きでマンションを共有名義にするメリット・デメリット

2019/02/12

夫婦の収入を合わせてマンションを購入するには?
どうもこんにちは、ザク男爵でございます。

「このマンション、夫婦2人の収入なら買えるのにな・・・ぐすん・・・」

手の届かないマンションでも、夫婦2人の力(収入)を合わせれば買えるとき、ありますよね?
夫婦2人でマンションを購入すると、マンションは共有名義となります。(収入合算をのぞきます)
マンションを共有名義にすることで、

  • 1人では買えないマンションが買える。
  • 住宅ローン控除が2人分になる。
  • 相続税が軽減される。

などのメリットがあります。
「共有名義、意外といいんじゃない?」と思いますが、共有名義には大きなデメリット「離婚時に揉める」があるのです。
縁起でもないことで申し訳ございません。ですが、事実なのですよ。

そこでこの記事では、夫婦共働きでマンションを共有名義にするメリット・デメリットについて解説させて頂きます。
安易に共有名義にする前に、ぜひご覧下さいませ。

そもそも、共有名義ってなに?贈与となにが違うの?

夫婦でマンションを共有する・・・とは言っても、それは夫婦でマンションを一緒に使うことではありません。
夫婦2人でお金を出し合ってマンションを買うだけでは、贈与になる可能性もあります。
知ってそうで意外と知らない、共有名義・贈与について解説させて頂きましょう。

お金を出した人が、マンションの共有名義人になる

夫婦での共有名義とは、夫婦2人でお金を出し合ってマンションを買い、夫婦2人ともマンションの名義人(所有者)になることです。
たとえば5,000万円のマンションを、夫婦でお金を出し合って共同名義で購入すると、

夫:2,500万円→50%の持ち分
妻:2,500万円→50%の持ち分

夫と妻、半分ずつマンションを所有していることになります。
このマンションは夫と妻、2人のモノであり、どちらか片方のモノではありません。
紛らわしいですが、夫(妻)がマンションの50%を所有している意味ではなく、あくまでも夫婦で共有している意味になります。

お金を出すだけでは、贈与になる

共有名義でなくても、夫婦2人のお金でマンションを買うケースもあります。
先ほどと同様に5,000万円のマンションを買うとき、

夫:4,800万円の住宅ローンを借りる。
妻:頭金として、200万円の現金を夫に渡した。

こちらのケースでは、「妻は夫に200万円、贈与した」という扱いになります。

この場合では妻はマンションの共有名義人ではなく、マンションは夫の所有物になります。
またこのとき贈与した金額に税金(贈与税)がかかります。
※200万円にかかる贈与税は、「200万円-基礎控除110万円×10%=9万円」です。

夫婦ではなく、親(祖父母)から住宅資金として贈与される場合は、810万円までが非課税になります。(基礎控除110万円含む)

共有名義のデメリット

夫婦で共有名義でマンションを買えば、1人の収入では買えないマンションでも購入できます。
しかし安易に共有名義にするのはリスクが大きいです。
なぜなら共有名義でマンションを買うと、離婚したときに揉めるからでございます。

離婚したとき、揉める原因になる

離婚のデメリット

きちんと考えておかなければならないことです。


これからマンションを買うというのに、縁起でもないことで申し訳ございません。しかし大切なことなのです。
夫婦2人で共有名義でマンションを購入すると、離婚したときに揉める原因になります。

  • 夫婦の合意がないと、売れない。
  • 一方的に出て行ったけど、支払いの義務がある。
  • どちらかが引き続きマンションに住む場合、住宅ローン返済が増える。

離婚するときはお互いの関係も冷え切っており、話し合いも感情的になりがちです。
お互い感情的になっても法律は冷静なもので、共有名義人への支払いの義務は変わりません。

日本の離婚率は35%(平成27年度厚労省)ですので、離婚問題は決して他人事ではないのです。
私も結婚して家を買った1人として、戦々恐々でございます。
安易に共有名義になることは、とてもリスキーなことです。

夫婦二人がそれぞれ連帯保証人になるリスク

夫婦でマンションを共有名義で買う場合、夫婦それぞれが住宅ローンを組みます。
このときお互いが、それぞれの連帯保証人になるケースが多いです。
そのためどちらかの収入が減り、返済できなくなった場合、連帯保証人として肩代わりを求められるのです。
連帯保証人の義務は離婚後も続きますので、「離婚してからいつのまにか、住宅ローンの返済がまわってきた・・・」という悲しい結果になる可能性があります。

共働きが解消されたときの住宅ローン返済が厳しい

共有名義で2人で住宅ローンを借りれば、ハイグレードなマンションも買えます。
しかしこの返済は「夫婦共働き」が前提であり、共働きが解消されると住宅ローン返済がいっきにキツくなります。

  • 妻が出産で休職、退職した。
  • しばらく子育てに専念する。
  • 夫がリストラにあっている。
  • 夫がうつになってしまった。

人生はリスクだらけでございます。
ですので多少のリスクに出会っても大丈夫なように、余裕をもって住宅ローンを借りることが大切です。

ですが夫婦2人そろって住宅ローンをギチギチに借りてしまうと、ちょっとした刺激で破裂(破産)しかねません。
共有名義は買えなかったマンションに手が届く一方で、重大なリスクがあることを知る必要があります。

相続すると、共有名義人が増える

少し先の話になりますが、夫婦どちらかが亡くなってマンションを相続すると、共有名義人が増えてしまうデメリットがあります。
たとえば共有名義人である夫がなくなったとき、4人家族(夫婦+子供2人)だった場合の相続人(共有名義人)は、

  • 子供1
  • 子供2

の、3人になります。子供が3人いれば共有名義人は4人になってしまいます。
代を重ねるごとに共有名義人は増えていき、最終的にはカオスで手がつけられなくなります。

共有名義のメリット

共有名義にはデメリットが多いものの、メリットもございます。
しかし結論から申し上げますと、デメリットの大きさに比べてメリットは小さいので、わざわざ共有名義を選ぶ理由は少ないです。

1人では買えないマンションも、夫婦2人の収入なら買える

共有名義のメリット

夫婦で力を合わせることができます。


冒頭から申し上げているとおり、共有名義で夫婦2人で住宅ローンを借りれば、買えなかったマンションにも手が届きます。
住宅購入は金額の大きな買い物ですので、多くの方が「妥協して、後悔したくない!」と思っています。
そのため目の前に予算オーバーだけど理想のマンションがあったら・・・、つい無理して買ってしまうのですよ。

ちょっと無理なマンションも、夫婦2人の収入なら可能になります。
収入合算、ペアローン。夫婦2人の力を合わせれば、手の届かなかったマンションだって買えます。
多少(けっこう)リスキーではありますが、妥協して後悔することを考えると1つのメリットですよね。

住宅ローン控除が2人分受けられる

また共有名義にすると、住宅ローン控除が2人分受けられます。
住宅ローン控除とは、住宅ローンの借入額の1%が10年間控除される税制優遇です。
通常は住宅ローンを返済している1人しか控除されないところが、共有名義なら2人分受けられます。控除は最大80万円(年間)です。

ただし住宅ローン控除は、支払った税金が戻ってくるだけなので、

  • そこまで税金を払っていない。
  • 仕事をやめて収入がなくなった。

という場合では、メリットは小さくなってしまいます。

夫婦の収入を合わせてマンションを購入するには?

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相続税が軽減される

こちらは先の話になりますが、共有名義でマンションを買った場合は相続税が軽減されます。
共有名義では、相手がもっていた持ち分だけの相続になり、マンションすべてを相続する場合(1人の名義)よりも相続税は軽くなります。
とは言えこのメリットを受けるのは先の話ですし、相続税対策のために共有名義を選ぶ必要性は低いでしょう。

まとめ:メリットよりデメリットの方が大きい

1人では買えないマンションでも、共有名義なら買えるかもしれません。
これは大きいメリットですが、デメリットも大きいので注意が必要です。

【共有名義のデメリット】

  • 離婚したとき、揉める原因になる。
  • 夫婦2人がそれぞれ連帯保証人になるリスク。
  • 共働きが解消されたとき、住宅ローン返済がキツい。
  • 相続すると、共有名義人が増える。

【共有名義のメリット】

  • 1人では買えないマンションも、夫婦2人なら買える。
  • 住宅ローン控除が2人分受けられる。
  • 相続税が軽減される。

メリット・デメリットを並べてみると、やはりデメリットの破壊力が目立ちます。安易な共有名義はリスクが大きいです。
夫婦の収入を合わせる方法は、収入合算もございます。収入合算なら名義は1人です。
共有名義とあわせてご検討くださいませ。
素敵な住宅購入を。それでは、また!

ブロガー

この記事を書いた人

マイホーム購入や子育て、ワークスタイルに関する情報を『辛い人生がちょっとだけ「楽」になるスパイスを、あなたに。』というテーマで発信する月間19万PVの人気ブログ「ザク男爵プレゼンツ」を運営。
自身が建売住宅を購入した経験を元に、マイホーム購入や住宅ローンについて専門用語を避けながらわかりやすく説明することを得意としている。

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