トイレのガマンは禁物! 膀胱炎になるリスクも
そうはいっても、「努力ポイントを実施したのに思うほど効果が出ない」といった場合は、どうすればいい?
たとえば、頻尿になってしまっている状況で、どうしても大事な商談が入ってしまったら……。
きのこが思うに、そのような場合には、勇気を振り絞って最初に宣言をさせていただくしかないですね。
セリフ的には、こう。
「ワタクシごとで大変恐縮ですが、妊娠中のため、重度の頻尿症状に見舞われておりまして、もしかすると信じがたい頻度でお手洗いに失礼させていただくかもしれません。一礼をして静かに用を足し、戻ってまいりますので、何卒ご容赦いただけますよう、お願い申し上げます!」
である。
このセリフを丸暗記し、堂々と言えるようにしておけば、頻尿状態での会議も怖くない(はず)!
逆に、もっともいけないのは、体裁を気にして尿意をガマンすることである。
トイレをガマンすると、膀胱の中に溜まった尿内にて細菌が繁殖することで炎症し、膀胱炎になるかもしれないからだ。
万が一、次のような症状が現れたら、膀胱炎を疑ってみよう。
[1]トイレに行った直後(数分後など)に、またすぐトイレに行きたくなる。
[2]排尿の終わりや始めに、ヒリヒリするような痛み、ツーンとするような痛みがある。
[3]尿が、いつもより白濁している。
[4]排尿が終わっても、明らかに残尿感がある。
「膀胱炎くらい、自然に治ることもあるし、大したことないわ」と思ってはいけない。
膀胱炎自体も本当はやっかいなのだが、もっと怖いのは、膀胱炎がほかの病気に発展してしまうことだ。
よく言われるのが「腎盂腎炎」。
腎盂腎炎は、腎臓でつくられた尿が集まる腎盂というところが炎症してしまう病気。
これにかかると、38度以上の高熱が出たり、悪寒を感じたりする。
さらに、腎盂腎炎を放置すると「腎不全」になることも……。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」じゃないけれど、宣言するのは一時の恥ずかしさ、宣言しないのは長い間の苦痛を呼びかねないもの。
そして、頻尿そのものはさほど周囲に迷惑をかけないけれど、腎不全は本格的に周囲に迷惑をかける危険性を充分にはらむもの。
そうなってしまってから「あのとき堂々と宣言してトイレに行っておけばよかった」などと悔やんでも遅い。
さぁ、頻尿中の妊婦たちよ。今こそ声を大にして言おう。
「妊娠性の頻尿なんです。トイレばっかり行ってほんとゴメンね!」
と。
文:松本えつを
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◆ 文・ストーリー構成:松本えつを(役名:きのこ)
絵本作家・エッセイスト・コピーライター。2007年、8年間役員をつとめた出版社から独立。2008年、出産後の出血多量で死にかけるも一命をとりとめたことをきっかけに、女性が働きづらい社会を少しでも変えたいと一念発起。以降、ニッポンの女性アーティスト・クリエイターの自立支援を目的とした教育&プラットフォーム事業を立ち上げ、多くの女性たちの声を聞く。2014年、クリエイターを対象としたマンガコンテンツ “ クリエイターあるある in 日影工房 ” を企画・制作。これまでの著書の大部分は大人の女性を対象としたものとなる。代表作に『バンザイ』(サンクチュアリ出版)、『ユメカナバイブル』(ミライカナイブックス)等。
◆ 絵:ささはらけいこ(役名:もじゃ)
1984年北海道生まれ。金沢美術工芸大学油画専攻卒。東京クリエイターアカデミー(現ウーマンクリエイターズカレッジ)を経て、2010年よりイラストレーター・絵本作家として活動を始める。2014年から “ クリエイターあるある in 日影工房 ” の作画を担当し、「もじゃ」役として出演。2015年におまんじゅうのような子どもを出産し、テンヤワンヤで子育て真っ最中。
* ささはらけいこポートフォリオサイト「星ふるモジャモジャの丘」