妊娠初期に吐きつわりを経験する割合はどのくらい?
つわりを経験する人の数は妊婦全体の8割程度にのぼるが、つわり=吐きつわりではないということを、過去の記事でお伝えしている。
*【マンガ】妊娠超初期症状とは? つわりはどのくらいの確率であるの?【松本えつをの子育てあるあるvol.4】
じゃあ、つわりの中でも「吐きつわり」を経験する割合はどのくらいだろう。
「コンビタウン」が実施したアンケートによると、305人の回答から、次のような結果が出ている。
- 非常にあった=42%
- 少しあった=37%
つわりの有無をお伺いしたところ、お答えいただいた305人のうち、「非常にあった」が42%、「少しあった」が37%で、合わせると79%もの方がつわりを経験されていることがわかりました。
Q. どんな症状がありましたか?
- 吐き気・嘔吐 202人
- 胸焼け、胃のもたれ、むかつき 184人
- 匂いに敏感になる 162人
つわりの症状を伺ったところ、1 番多いのは「吐き気、嘔吐」で、続いて「胸やけ、胃のもたれ、むかつき」という結果になりました。
*出典:妊娠・出産&口コミ情報サイト コンビタウン つわり(アンケート 2016年1月実施 回答合計:305人)https://www.combibaby.com/c/2339/?content_id=1950&rewrite_end_flag=1
なんと、「吐き気・嘔吐」の症状を自覚した人は、回答者305人のうち、202人にのぼっている。
過半数どころか、3人に2人の割合だ。
これだけ多くの人が吐き気や嘔吐を経験することになるのだから、当然、仕事との両立に苦しむ人も多いはず。
特に、ユッキーのように通勤ラッシュが日課のキャリアウーマンにとっては、まさに地獄である……。
通勤ラッシュが日課のキャリアウーマンはどうすればいい?
つわりは、妊娠初期段階である5週・6週あたりから始まり、妊娠中期に入る16週頃に終わることが多いといわれている。
しかし、本人から妊娠の報告をしない限り、この一番つわりがつらい時期に周囲がしかるべき「配慮」をしてあげることはできない。
ご存知の通り、妊娠初期段階では妊婦の見た目の変化があまりないからだ。
また、ユッキーのように、バリバリ仕事に精を出しているキャリアウーマン(特に仕事オタク)は、「どんなときも自分より仕事のほうが大事!」という、一般人には理解しがたい独特な思考を持っている。
それゆえ、周りが率先して手を差し伸べたり、指示をしたりしなければ、その判断はどんどんストイックな方向に転じていくのだ。
そう、今回のマンガで描かれているストーリーのように。
ユッキーの場合は、とにかく満員電車の「むせかえるような空気」に吐き気が誘発されることがつらく、その症状は会社に着いたあともすぐには治らなかった。
そこで、駆け込んだトイレの中で考えた果てに、「諸悪の根源は通勤ラッシュだ!」という結論に。
業務内容が直接的な原因となっているとは捉えないところが、さすが仕事オタクである。
通勤ラッシュを避けるという方法は、たしかに有効な解決策のひとつだろう。
しかし、それだけで解決すると言い張るなんて、ユッキー、案外、安直すぎやしませんか?
「通勤がつらい」という場合、もっとも有効とされるのは、なるべく通勤しなくて済むように勤務先に配慮してもらうこと。
- つわりがピークの期間に休みをもらう
- 在宅勤務を許可してもらうなどして、通勤回数を減らす
- 通勤ラッシュを避けるにしても、通勤時間を早めるのではなく遅めるズラし方をする
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などである。
勤務先にいずれの配慮をしてもらう場合でも、上司など、勤怠管理をする立場の人には早めに状況を伝えることが必須だ。
繰り返すが、妊娠初期だと「言わなきゃわからない」わけだから、さ。
超ストイックな仕事オタク「ユッキー」の選択の結果は、次回……。
文:松本えつを
▼松本えつをの子育てあるある▼
◆ 文・ストーリー構成:松本えつを(役名:きのこ)
絵本作家・エッセイスト・コピーライター。2007年、8年間役員をつとめた出版社から独立。2008年、出産後の出血多量で死にかけるも一命をとりとめたことをきっかけに、女性が働きづらい社会を少しでも変えたいと一念発起。以降、ニッポンの女性アーティスト・クリエイターの自立支援を目的とした教育&プラットフォーム事業を立ち上げ、多くの女性たちの声を聞く。2014年、クリエイターを対象としたマンガコンテンツ “ クリエイターあるある in 日影工房 ” を企画・制作。これまでの著書の大部分は大人の女性を対象としたものとなる。代表作に『バンザイ』(サンクチュアリ出版)、『ユメカナバイブル』(ミライカナイブックス)等。
◆ 絵:ささはらけいこ(役名:もじゃ)
1984年北海道生まれ。金沢美術工芸大学油画専攻卒。東京クリエイターアカデミー(現ウーマンクリエイターズカレッジ)を経て、2010年よりイラストレーター・絵本作家として活動を始める。2014年から “ クリエイターあるある in 日影工房 ” の作画を担当し、「もじゃ」役として出演。2015年におまんじゅうのような子どもを出産し、テンヤワンヤで子育て真っ最中。
* ささはらけいこポートフォリオサイト「星ふるモジャモジャの丘」