このお話は、ひだまり家族(仮名)が主人公の物語です。
ひだまり家族(仮名)は、30代前半の夫婦と子どもひとりの3人家族です。
今回は、このひだまり家族がウッドデッキ付きの一軒家を購入したお話をご紹介します。
ひだまり家族が理想の一軒家を見つけるまでのお話はこちら。
家がほしい! ひだまり家族の山あり谷あり一戸建て購入物語
ひだまり家族は、マンションの家賃は年々上がるし、階下への音を気にせず子どもがのびのび遊べるようにと、少ない予算で新築一戸建てを探し始めます。
やっと見つけた物件は、傾斜地に建つ予定の一戸建てでした。それでも、見晴らしよし、風通しよし、通学よし、バス通勤はちょっとガマン。狭いけれど、土地の前に障害物のない開放感が気に入り、予算もなんとかクリアしました。
さっそく購入を決め、できあがりを待つこと数ヶ月。ひだまり家族は、家を見て大興奮!そこには、大きなウッドデッキが広がっていました。しかし、のちに、このウッドデッキが家族を悩ますことになろうとは……。
あこがれのウッドデッキ! 〜メンテナンスは必要〜
夢の新築一戸建てで新生活をはじめたひだまり家族は、あこがれのウッドデッキを眺めながら、使い道をあれこれ考えました。新居のお披露目をかねた友人家族を招いてのBBQパーティーや、子どものお友だちを呼んでプール遊びをするなど、しばらくは人を呼ぶのが日課になるくらい、せわしく月日は流れていきました。
ウッドデッキを見た友人たちは口をそろえて、「別荘に来たみたい!」「解放感がたまらない!」「夏はここで日焼けできるね!」「おしゃれな空間!」「木のぬくもりが優しい!」「癒される!」など、褒め言葉を並べたてました。
ひだまり家族は、みんなに楽しんでもらえたようでうれしくなりましたが、ひとつ気がかりなことがありました。
それは、最初は、デッキに塗られたニスのアメ色が味を出しつややかだったのに、雨風にさらされて、だんだん木がカサカサしてきたことです。色も変色して、とても古くさく見えます。
そもそも、家に付属してきたウッドデッキなので、どの程度のグレードのものかわかりません。こんなに早く、老朽化するものなのだろうか……。
ある日、ウッドデッキに何かを塗っている風上のおとなりさんを発見しました。
ひだまり家族: 「何をしているのですか?」
おとなりさん: 「ああ、ニスを塗っているのですよ。こうしないと、すぐダメになっちゃいますよ。」
ひだまり家族: 「ええっ〜〜!! そ、そうなんですね。」
ひだまり家族は、ウッドデッキは、こまめにメンテナンスが必要だということを知らなかったのです!
翌日、ホームセンターで防虫防腐対策用のニスを購入し、いそいそと塗りはじめました。最初は、この真新しい体験をおもしろがっていましたが、なにしろ、12畳ほどもある広さです。囲いの柵の目は重なっていて、その1本1本をぬかりなく塗りつぶすには根気が必要です。しかも、ひとりで塗るにはかなりの重労働。
さらに、板の継ぎ目でクギがゆるんで、そり返っているところが数箇所あり、ハンマーで叩いてもゆるゆるしたまま、びくともしません。
このとき、ひだまりさんは思いました。
「ウッドデッキは、D.I.Y好きの家族向けでしょう」と。
腐らないウッドデッキはあるの? 〜年を経ると朽ちてくる〜
あこがれのウッドデッキで楽しめたのも数年。こまめにメンテナンスをしながらも、年々朽ちていくウッドデッキを見ては、将来が不安になりました。板のそり返りはさらに進んで、踏み込むと不安定な箇所が出ています。
ある日、メンテナンスをまったくしていない、風下のおとなりさん宅を見てびっくり!
なんと、ウッドデッキが崩れ落ちているではありませんか。
ここは傾斜地なので、ウッドデッキがなかったら、何の用途もないうえに、税金を払うだけのムダな土地と化してしまいます。
自分たちでのメンテナンスはもう限界だと思った私たちひだまり家族はリフォームを考え、腐らないウッドデッキを探すことにしました。
ネット検索で、いくつかのウッドデッキ施工会社を見つけ、慎重に検討します。今と同じグレードのものでは、高いお金をかけても、また5〜10年もすれば、水の泡と化してしまうことを学んだからです。
そして、ついに、腐らないウッドデッキを取り扱っている施工会社を発見。
ホームページを何度も読みかえし、家族会議にかけて話し合いますが、どうしても決断できない理由がありました。それは、価格です。
材料費をざっと足した概算でも、かなりの金額になることがわかりました。普通よりも割り増しになってしまう理由は、広さと、高低差のある傾斜地ということ。
注文住宅で、腐らないウッドデッキをつくった友人に聞いたところ、ほぼ同じくらいの広さで、地上から2〜3m高の施工で、200万円以下だったとか。ひだまり家の傾斜地の高低差は、その倍はあり、基礎から作り直すと、もっとかかってしまいます。
このまま腐らせるか → 見た目が汚くなるのはイヤ
ひとまず壊して更地の傾斜地にするか → 防犯面で不安
このとき、ひだまりさんは思いました。
「ウッドデッキは、経済的に余裕のある家族向けでしょう」と。