すみかる住生活版

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自然と文化遺産の町『長野県 木曽町』の魅力を移住者に聞いてみた

木曽町移住者『鈴木さん』にインタビュー 移住生活について伺いました

もともと木曽町の隣にある上松町にある木工の学校で、1年間木工の勉強をしていたという埼玉県出身の鈴木さん。学校での勉強が終了したあと、昨年縁あって木曽町に引っ越ししました。

現在は株式会社Tree to Greenの一員として、木曽ヒノキを使った木曽の伝統工芸品を現代風にデザインしたブランド「木曽生活研究所」の製品や様々な木製製品の製作をしながら、地域おこしの活動もしています。
そんな鈴木さんに、木曽町への移住のきっかけや移住生活について伺いました。

移住者

埼玉県から木曽町に引っ越した鈴木さん

―なぜ木曽町に移住することにしたのですか?

木工の勉強をしに来た当初は、そのまま木曽に住もうと思っていたわけではないんです。むしろ、もっと暖かい地域に行こうかと思ったこともあるくらいで(笑)。

ただ、この地域は住んでいる人たちがすごくいい人ばかりなんです。学校にいる間、この地域の人たちと触れ合っていくうちにもっと知りたいという気持ちが強くなり、このまま木曽に残っていろいろなことをすれば面白いんじゃないかな、と思って。学校がある上松町にいる間に木曽町の人たちともいろいろとつながりができたこともあって、最終的に木曽町に住むことにしたんです。

だから、一大決心をして移住したわけではなく、1年間の学校生活の間に徐々に移住に心が動いていったという感じですね。移住というよりは、こっちに残ってみようかな、住んでみたいな、という。

―ここに住んでみたいという思い、大切ですよね。実際に木曽町に住んでみて良かったことはどんなことですか?

町の人たちが本当に優しいんです。いい人ばかりで。町内会にも声をかけてもらって参加しています。野菜をくれたり、みんなが助けてくれたり、そのような優しさに触れられるところがいいですね。

それに、御嶽山や木曽駒ケ岳などに囲まれて自然が豊か。環境面がすごくよくて空気もおいしいし、夏は涼しくてとてもいいところです。本当に暮らしやすいですね。熱帯夜とも無縁でエアコンも使わなくていいくらいなんですよ。気候も、景色も、空気もいい。そのような場所で自分の好きなことができるというのが、移住して良かったと感じていることです。

木曽町は移住者が多いから閉鎖的ではなく、もともと住んでいる人たちも移住者に優しくて、いろいろと面倒を見てくれるんですよ。町も移住者向けの住宅を紹介してくれたり、家を直すときの補助金を出してくれる支援もあります。

屋根の修理

もと公民館を借りて自宅に。屋根の改修も自分で行う。

―移住して辛かったことや大変だったことはありますか?

1年間の学校生活でだいたい目途がついていたんですが、やっぱり冬の寒さは厳しいですね。それ以外は、特に大変なことなどはないですね。

スーパーなど日常生活に必要な物は全部そろっているし、生活する上で困ることもありません。娯楽を求める人には向いていないかもしれませんが(笑)。

―移住者へのアドバイスがあれば教えてください

移住では、最初に家と仕事を探すことが大切です。外からだと、どんな仕事があるのか、どこに家があるのかなどあまりわからないので、実際に住んでいる人にまずコンタクトを取って情報をいろいろ集めたほうがいいですね。住民を通じて仕事や家を探すと上手くいくことも多いと思います。

あまり仕事がなさそうに見えても、実際に中に入ってみるといろいろな仕事が見つかる場合も多いんです。僕の知人ですが、自分のやりたいことをできる会社を探して就職してしまってから移住した人もいます。「こういう仕事をやりたい」と言うと何とかなることもあるので、やりたいことを自分から発信していくといいかもしれません。

木曽に住むきっかけは『仕事』との出会い

木の板を重ねて作業

作業風景

最初に仕事と家を探すことが大切という鈴木さん。確かに、移住する人にとって、どのような仕事があるのか、どのような働き方をして収入を得るのかはとても関心があるのではないでしょうか。

鈴木さんがTree to Greenで働くことになったきっかけは、ちょうど木曽町に残ろうと思った頃の出会い。たまたま木曽でTree to Greenの人と知り合い、「木曽に残っていろいろやりたいと思っている」という話をしたら、「じゃあ、ここでやってみない?」ということで、とんとん拍子に話が進んだのだそうです。

木曽町は林業が盛んな町。Tree to Greenでは、木曽町を中心として木製製品のブランド『木曽生活研究所』を運営している。主に木曽ヒノキを使って、お風呂の椅子やバスマット、アロマフックなど、木曽の伝統工芸品をリデザインした製品を作っている会社です。その高いデザイン性と職人の技術力で作り出される製品は、日本国内のみならず、海外からも高い評価を得ています。

もともと木工の勉強をしていた鈴木さんにとって、Tree to Greenはやりたいことができる場所だったようです。

「もっと地域に関わっていきたい」

雪灯りがともるカフェの前

木曽福島のイベント「雪灯りの散歩路」で出店したカフェの風景

カフェの中でほっと一息

同世代の移住仲間や東京から訪れた友人たちと

鈴木さんは、木曽福島で年に1回開催される「雪灯りの散歩路」というイベントで同世代の移住者と一緒にカフェをやったり、地元の人に交じって町内のお祭りに参加したり、いろいろな活動をされています。イベントで出店したカフェでは、温かい飲み物の販売と、ヒノキに焼印をしてバッジを作るワークショップをやったのだとか。地域の人々と関わりながら生活を楽しんでいる様子がうかがえます。

みこしを担ぐ人々

移住仲間と一緒に、町の人に混ざって町内のお祭りに参加

「住んでみたい」という軽い気持ちで始まった、木曽町での鈴木さんの移住生活。

「一生ここに住むとは言えないけれど、まだしばらくはこの地域にもっと深く関わって、やりたいことをやっていきたいですね。」

そう語ってくれました。

移住を検討している人へ『まずは体験してみよう!』

移住してその地域になじめるのか、仕事はどうするのか、思い描いていたものと実際の暮らしのギャップがあるのではないかなど、移住する前に検討すべきことはたくさんあります。まずは、あれこれ思い悩む前に、まずはセミナーや体験ツアーなどに参加してみてはいかがでしょうか。

木曽町では、「木曽町移住体験ツアー」や「移住セミナー」「創業セミナー」などを開催しています。

移住セミナーでは、移住者の体験談を聞くことができ、個別の相談なども行えます。体験ツアーでは、木曽での農業体験を行うことができます。農業体験を通じて町の人々とも触れ合えます。

参照:木曽町移住体験ツアー

移住検討者は、まずこのようなセミナーやツアーに参加したり、町役場に連絡を取ったりして、地域の情報を手に入れましょう。田舎での暮らしは、想像していたものとは異なることもあります。その地域の人たちとの交流や近所づきあいも必要になります。

木曽町では、移住を考えている人に向けて、1年間の移住体験ができる「田舎暮らし体験住宅」も用意しています。これは、まずは1年間田舎暮らしを体験し、それから移住するかどうか決めてもらうためのもので、今までに5世帯が利用し、3世帯が実際に移住されたそうです。

移住を検討する段階で体験してみることで、移住検討地域との相性や、実際の暮らしを知ることができ、失敗を防ぐことにもつながります。移住するかしないか、体験してから決めることができるのでおすすめです。

参照:田舎暮らし体験住宅

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