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新しいライフスタイル「卒婚」! おひとりさまの老後をエンジョイする方法


今、結婚をしない「おひとりさま」が増えているいっぽうで、結婚はしたものの、夫婦単位の生活を卒業し、あえて「おひとりさま」を選択する「卒婚」も増えています。

「家庭を最優先にして生きてきたけれど、気づいたら自分のやりたいことをいつも我慢していた!」
「親の介護をするために、実家に帰りたい!」

などにたとえられるように、生活が多様化している現代は、ひとりひとりが個性的に生きられる、自立した時代へと変化しています。残りの人生を、自分らしく、自分の人生を楽しむために生きていくという選択肢は、今後、ますます広がっていくのではないでしょうか。
おひとりさまの老後を楽しむ方法のひとつとして「卒婚」をご紹介します。

結婚の形態がかわってきた? 「卒婚」というライフスタイル

最近は「結婚してあたりまえ、夫婦は一生つづくもの」という結婚観が薄れつつあるようで、身近な知りあいをみても、未婚者や離婚経験者はめずらしくありません。
そんな時代の流れのなかで「卒婚」というライフスタイルが話題になっています。

「卒婚」とは、「結婚という形を維持しながらも、夫と妻が互いに干渉せず、それぞれの人生を自由に歩んでいくという夫婦関係。2004年に出版された『卒婚のススメ』(オレンジページ)の著者・杉山由美子による造語。」です。
コトバンク(https://kotobank.jp/word/卒婚)より引用

「卒婚」には、別居型と同居型があります。
別居型には、夫婦ともに経済的に自立している場合や、おもに夫が経済的な支援をしてくれる場合などがあります。また、「親の介護」や「都会暮らしと田舎暮らし」などの意見の相違で離れる場合も、別居型になります。

同居型は、別居するほどではないけれど、家庭内でお互いが自立できればいいという考えや、経済的な理由などから選ばれます。

「卒婚」を考えるのは、50代以上〜定年退職前後の年齢層が多いようです。そして、卒婚を提案するのは、ほとんどが女性側からです。

今この年齢層にあたる女性たちは、バブル期に差しかかるころに、自分の働いたお金で、自由に人生を楽しむことを経験してきた世代です。そんな女性たちが、子どもの自立や夫の定年退職を機に、もう一度、自分らしさや自分だけの時間を求めても、なんら不思議はありません。

もちろん、その世代に限ったことではなく、家庭を中心に生きてきた女性ならだれしも、人生の後半くらいは、自分のために、自分らしく生きたいというのが本音ではないでしょうか。

「でも、夫婦だから、家族だから」と卒婚できない理由をならべて、「人生後半戦における自分らしさ」をあきらめているとしたら、もったいないことです。

お互いの自由をどこまで尊重するかは夫婦間で決めることですが、老後をより楽しむための選択肢のひとつとして、「卒婚」という新しいライフスタイルを付け加えてはいかかでしょうか。

「卒婚」を実現するために必要なこと! 卒婚のメリット・デメリット

「卒婚」という新しいライフスタイルを実現するためには、夫婦での話し合いが必須です。

一方的な理由で「卒婚」を断言してしまうと離婚につながりかねませんし、婚姻関係を続けながらの別居生活ですから、相手との信頼関係がなければ成り立ちません。

ここで、話し合いのポイントとなる「卒婚」のメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。

「卒婚」を選ぶメリット
・夫婦が距離をたもつことで、客観的に関係性を見直す機会を得る
・完全な孤独状態ではなく、夫婦がつながっている安心感がある
・今まで積みあげてきた思い出を完全に手放すことなく過ごせる
などが思い浮かびます。

「卒婚」を選ぶデメリット
・別居生活を選ぶと、経済的な負担が増す
・長い別居生活が、離婚のリスクを生む
・近場での別居生活の場合は、自立できない夫婦のどちらかが結果的に依存的になり、負担が増える
などがあげられます。

別居型の「卒婚」の場合は、連絡をどのように取り合うのか、一時的な別居なのかどうか、戻るとしたらどのようなタイミングなのか、介護や子どもとの関係性をどう維持するのかなど、行動に移す前にルールをつくっておく必要があります。

連絡の取り方ひとつをとっても、夫婦によって違いがありますよね。毎日メールや電話で連絡しあったり、週1回、ご飯を一緒に食べると決めている夫婦もいます。

知り合いの別居型卒婚者は、別居の距離が飛行機で移動するほど離れているので、顔をあわせるのは年に数回、お互いの住居を行き来するだけといいます。飛行機を使うならば、それなりの移動費もかかります。経済的な負担が増えることは、「卒婚」の実現に向けてネックとなる部分でしょう。

そうなると、「結局、卒婚は経済力がなければできない?」と思われるかもしれませんね。たしかに、別居をするならある程度の経済力は必要になります。

その点、同居型なら、いままでどおり同居したまま家庭内で「卒婚」宣言をすることで、行動範囲を広げられたり、お互いに理解を得られたりと、夫婦関係を変化させることが可能です。
ただし、生活環境が変わらないので、「卒婚」をお互いが意識していないと、いつの間にかもとのさやに戻ってしまうところがデメリットです。

「卒婚」のメリット、デメリットを理解したうえで、自分たちにとって最良の形で、お互いの自由を実現していきたいですね。

あなたは「卒婚」を考えますか? これからの夫婦のかたち

実際のところ、「卒婚」という言葉がなくても、夫婦はいずれ、さまざまな形に変化して卒婚していきます。
だから、あえて「おひとりさま」にならなくてもいいと思う人もいるでしょうし、自分の人生を自分なりに生きていくために、あえて「おひとりさま」になりたいと思う人もいるでしょう。

どんな選択でも、その人にとって最良ならば、それがいちばんです。

今、「卒婚」がこんなにも注目されているのは、結婚のありかた、個人の生きかたの中に、自分ではどうにもならない制約やしがらみを感じていて、一歩を踏み出すための後押しが必要だからではないでしょうか。
「卒婚」を意識することで、自分のなかにある「こうあるべき」「こうでなければならない」といった制約を、手放していくことができるのかもしれませんね。

これからは、本当に好きなこと、本当にやりたいことを自分の意思で実現していく世の中になるのでしょう。新しいライフスタイルである「卒婚」。あなたは「卒婚」をどう考えますか?

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