近年、住まい選びの選択肢として古民家リノベーションが注目されています。
いえーる すみかる編集部では、休日や余暇を充実させるために都会を少し離れて地方に移り住んだ、あるご家族の話をお聞きすることができました。
なんと東京から電車で約１時間半、山梨県大月市で築30年の古民家「賃貸物件」でリノベーションする生活を選んだ30代夫婦のAさん家族。Aさんによると、購入した自分の家でなく、賃貸物件でもリノベーション可能な物件は増えてきているそうです。

賃貸物件でリノベーションした場合の疑問や仕組みの説明を、これからますますやんちゃざかりのお子さん2人がいらっしゃるAさん夫婦を通して、毎日の生活の変化と、大月市での古民家再生の取組みや空き家事情をまじえてお伝えします。

田舎暮らしも体験してみないとわからない！　賃貸から始める古民家暮らし

2017年3月、Aさん家族は山梨県大月市へ引っ越しました。

2人のお子さんのうち長男の小学校入学に合わせ、色々な土地の「空き家バンク」や不動産情報を、主にインターネットで探すうちに、築30年以上の古民家を貸りることになりました。

大月は新宿まで90分と比較的近く、なおかつトトロの世界のような自然がまだまだ多い場所です。
借りる物件の近くには山も川もあり、2人のお子さんは毎日泥んこになりながら走りまわっています。

元々は自然の多い東京都多摩地区在住で、そこで借りていた家を買い取りたいと希望したのですが叶わず、以前から興味のあった古民家にしぼって探し続け、たどり着いたところが山梨県大月市でした。
ところが希望の物件は交渉中とのことで、大月市役所に古民家を探していると相談してみると、数日後には新物件が出ると連絡をもらい、翌日に内見しその日のうちに申込みをしました。

広い庭付き一戸建、そのほかに畑も無料で借りられます。家自体は古いものの、比較的手入れされていて、好きなようにDIYでリノベーションやリフォームしても大丈夫とのこと。
Aさん家族はこれから、家庭菜園や山菜採り、川遊びや魚釣りを楽しみ、広い庭に露天風呂やピザ窯を作ってBBQをしようと夢はふくらみます。ご主人は、東京での会社勤めはそのままで、通勤時間は30分増えたものの、今の生活を気にいっているそうです。

古民家を賃貸でDIY！　古民家リノベーションや不動産事情などをご紹介します

ところで気になるのが、物件の維持費や修繕費ですよね。
そもそも賃貸でいろいろいじったら、引っ越す時に原状回復しないといけないんでしょ？　と思われるかたも多いと思います。しかし近年は、古い住宅ほど原状回復義務を免除した物件も増えています。
オーナーにとっては修繕費用の負担が減るとともに、DIYでリノベーションやリフォームしたいと言うニーズにも合致し、入居希望者が見つかりやすくなることがメリットです。

オーナーにもよりますが、その土地や古民家生活になじんできたらゆくゆくは買い取りしても良い物件もあります。リノベーションやリフォーム可能な範囲や買い取りについては借りる際に確認しておくと良いですね。
気になる修繕費ですが、これは物件によるところが大きく、ざっくりと数万円～上限は自分がやりたいだけ（長年住めば数百万円！）となります。なので、物件選びの時に状態をよく確認することが大切です。

若い子育て世代こそ利用したい公的制度！　自治体によっては助成金が出る場合も！

「家賃も払って修繕費も自分持ちだと、経済的負担がかえって増えるのでは？」と思う方もいるでしょう。
自治体によっては、毎月の家賃補助（上限1万円の所が多い）やそもそも家賃が安かったり、子供の医療費の無料化（自治体によっては中学3年生までの所も）などトータルで生活費の負担を減らす制度が増えています。

公的制度は自治体ごとに違うので、しっかり確認して有効活用しましょう。たとえば大月市では、転入子育て世帯家賃助成制度により、月1万円を上限とし、月額の家賃から住宅手当を控除した額に1/2を乗じた額を支給しています。
他にも「空き家見学＆地元住民との交流」などの無料ツアーを企画しています。疑問点や具体的な話が聞けるいい機会なので、積極的に利用してはいかがでしょうか。

まとめ

今回は賃貸物件でリノベーションされたご家族の例を紹介しました。
古民家の賃貸をお試し期間と捉えるても良いと思います。古民家の賃貸から始めてそのまま定住したり、別荘として購入したりと生活自体をリノベーションできる機会への初めの一歩となるかもしれませんね。
少し視野を広げると、自分らしいライフスタイルを作れる場所が意外な所にあったりします。公的制度を賢く利用して、古民家リノベーションで新生活も良いですね。