子育て中のお母さんは、自分の時間をとるのが難しいですよね。でも今は、ママ向けのいろんな教室があるので、探してみるのも楽しいかもしれません。ママ友達とランチしておしゃべりをするのも悪くないけれど、そこでぐったりしてしまうようなら本末転倒です。
じっくりと集中して取り組めるような趣味をつくってみてはどうでしょう。今回は、私がお友達から教えてもらって始めた、押し花アートをご紹介したいと思います。
お花に興味がない人でも楽しめる!
押し花といえば、小さい頃、四つ葉のクローバーを見つけて本の間に挟んだりしませんでしたか?私はよく、綺麗な色の落ち葉を見つけて分厚い本の間に挟んでいました。
特にお花に興味があったわけではなかったのですが、押し花アートをお友達がやっていると聞いて、気軽な気持ちで、まずは体験してみることにしました。
初めは、先生が押してくれたお花を使ってポストカードサイズの押し花アートを作っていきます。そのお花の綺麗で可憐なこと! やっぱり女子ですね。綺麗なお花を見るとなんだか気分が上がってきます。
ウキウキと好きな色のお花を選んで、見よう見まねでお花を置いてデザインしていきます。こんなにお花をじっくり見ることは、最近ないなぁと思いました。もともと虫が苦手だったので、ガーデニングもしたことがなかったのです。
2枚のポストカードを作るのにそれほど時間もかからず、2時間くらいで完成しました。最後に先生に、より自然に見えるようなお花の置き方のアドバイスをもらえます。お花がどんな風に咲いていて、葉っぱがどんな向きになっているのか、実はあんまりわかっていないものだなと思いました。
お気に入りの額縁に入れたら、あっという間に手作りアートの完成です。これは面白い、と次回は自分で押し花をやってみることにしました。
今まで見たこともなかった、道端の草花が気になる
その後、2ヶ月に一回というゆっくりとしたペースで押し花教室に参加することにしました。講座といっても、お友達数人と一緒に好きな題材をリクエストして、自由に制作していきます。
ただ、2回目からは、できるだけ自分でお花や葉っぱを摘んできて、押して乾燥させて持っていくという宿題もあり、はじめは「私にできるのかな?」と少し不安にも思いました。
先生が所属している「ふしぎな花倶楽部」というところで、押し花用の乾燥マットと保存用の袋と花和紙を購入し、準備は万端。あとは押し花にできそうなお花や葉っぱを探して採ってくるだけです。考えてみたら、今まで道端に咲いているお花を注意して見たことがありません。
小学生のころ、お友達との帰り道に、道端の青いお花を採って、「これ甘いよ」とか「これ酸っぱいよ」とか吸ってみて味わっていたのを思い出しました。私は視覚より味覚が優先だったのですね。
散歩しながらよく見たら、あの白い花も、赤い花も(名前もわからず)押し花に適しているかもしれない、ピンク色の丸いお花も押し花にしたら面白いな、と考えるようになりました。ちょっと意識するだけで見方が変化するものです。
そして数本摘んできては乾燥マットに挟んで、そのまま置いておくと、ちゃんと綺麗に押されているのです。ちょっと折れ曲がって思うようにいかないこともありますが、こんなに手軽にできるなんて、面倒くさがりな私にはぴったりだと思いました。
いろんな可能性が広がる、押し花アートの世界
そして、もう一つ。自分の変化に驚いたことがあります。今まで虫やお手入れが苦手だからと敬遠していたガーデニングを、少しずつではありますが始めました。やっぱり自然のお花だけでは物足りなくなってきて、ホームセンターでいくつかお花の苗を購入して寄せ植えをし、そこからお花を採取するようになりました。
自分で育てていると、やっぱり可愛くなってきますね。お花を摘みにお散歩へ行くことも増えました。子どもと一緒にお花を摘むのも楽しいです。
ポストカードにデザインする押し花も楽しいですが、私がびっくりしたのは、お花を様々な風景やものに形作っていくことです。
「これ、本当にお花で出来てるの?」とびっくりするくらいの完成度。まるで絵画のようです。私にはまだまだ手が届きませんが、お花だけではなく、果物や木の皮、野菜や海藻なども押すことができるそうです。作品を作るたびに、押し花の奥深さに魅了されていきました。
ぜひ暮らしの中に、手作りアートを
マイペースな教室ですが、少しずつ押し花に慣れてきたように思います。ポストカードにしてメッセージを書き、母にプレゼントしたり、額縁に入れてお部屋に飾ったり。ファイルに押し花を貼り、コースターにすると実用的に使えますし、キーホルダーやアクセサリーにすると持ち歩くこともできます。
自然を取り入れる生活は、心にゆとりをもたらします。子育てに追われる毎日ですが、ふと自然に目を向ける余裕がほしいものですね。母としての役割に追われて、忘れかけていた女子力がアップすること間違いなしです。
文:にじ種えり