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初心者におすすめする住宅ローン本の選び方を住宅ローンのプロが教えます

2018/12/11

ブロガー

この記事を書いた人

関西地方在住のブロガー。昭和47年生まれの男性という以外は、詳細を明らかにしていない。自身もリーマンショックの年の2008年に新築マンションを購入し、住宅ローンを借りている。
インターネット上には家の購入や住宅ローンを選ぶときに役立つまともなサイトが少なすぎるという思いから「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」及び「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」を運営しており、一般の人からの住宅ローンや不動産購入についての相談に無料で答え、個人を特定できない形でその質問と回答を公開している。

こんにちは、ブロガーの千日太郎です。結論から言いますと、住宅ローンについて100%正しい解を出すということは、人間の能力を超えた業ですよ。その金額は自分の年収の数倍の金額です。そしてその期間は最長35年。今まで自分が生きてきた年数と同じくらいの期間だからです。

そんな住宅ローンについて「プロ」「専門家」と名乗る人は多いですが、本当に知っている人は数えるほどしかいません。

住宅ローンは銀行の「商品」です。すべてではないですが、住宅ローンの本で解説されている内容というのは、商品説明の域を出ていないようなシロモノが多いです。

全員ではないですが、FP(ファイナンシャルプランナー)がする話も同様です。私がまだ「千日太郎」になる前、家を買うにあたって住宅ローンを選ぶのに、表面的な商品説明をわざわざこちらから出向いて聞かされ続け、失望しました。

今日は、住宅ローンについて知るべきことを知るために役立つ、参考書となるような良書の選び方についてお話しましょう。

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「はじめに」はその本で著者が一番伝えたいことが書いてある

本の最初、目次の次にありますよね「はじめに」です。私自身が本を書く前には「著者の自己紹介とあいさつが書いてあるんだよね」くらいの認識だったのですが、実はそうじゃなかったんです。

私が家の買い方の指南本を書くにあたっては、何となく最初にサクッと「はじめに」を書きあげまして、それから第一章から順に書き進めていきました。

そして最後まで書き上げてから、改めて推敲に入ったのですけど、本の読者が最初に目にする「はじめに」ではこの本で一番伝えたいことを最短の文字数で伝えるべきだ! でなきゃはじめに書く意味がないと思い、一度書いたものをすべて捨ててゼロから再度書き上げました。

また、ちょっとイヤラシイ話ですけど、この「はじめに」でグッと読者の心を掴んで本を買って欲しいというスケベ心もあるんですよね。ですから本の一番の読みどころ、アピールポイントを「はじめに」にぶち込むのですよ。

良くも悪くも著者の人間性が出る「はじめに」のフィルター

悪書の「はじめに」に一番ありがちなパターンは「著者の自慢話」パターンです。「こんなにスゲーオレ様の言うことを聞いておけば大丈夫だよ」みたいな文章です。

こういう人は、本を出して、そこから自分のビジネスにつなげてお客をゲットしたいなという目的で本を書いています。つまり、本を読んだ人が自分に仕事を依頼するようにしたいんですね。

ということは、この本はその著者の広告です。何が悲しくてそんな物にカネを払って購入し、それに人生を左右する重要な判断をゆだねなければならないんでしょうか?

もう一つは「読み手の知性を見下した文章」を書く人です。どういうのかというと「君らって何も分かってないよね?こういう分かりやすい話から入ったら喜んで飛びつくでしょ?」というようなスタンスです。ムカつきますよね。

非常に知性の高い人、専門性の高い人であってもこういう文章を書く人が居ます。しかし、読んでいて「なんだかムカつく」んですよ。その正体は、書き手がこっちを見下しているからなのです。

ムカつくヤツの話はいくら正しいことを書いていても、頭に入ってきません。本を読むことで自分をバージョンアップさせたいんですが、その本に妙なバグが入っていては、十分な効果を発揮しません。

この二つのフィルターで排除すれば、その分野(今回は住宅ローンですね)について知らない初心者であっても、まず8割くらいの悪書を排除することができると思います。

目次は1分で読める本のダイジェスト

目次を読めばその本の内容がわかる!?


「はじめに」を読んで合格かなと思った本については、やっと目次に目を通します。その本に、住宅ローンについて一通りのことを知るための、必要十分な情報が揃っているのかを確認するためです。

目次はその本の骨格とも言えるものですね。一分で読める本のダイジェストのようなものでもあります。それに目を通します。

とはいえ、これから住宅ローンについて知りたいと思っている人が、そもそもこれで必要十分なのかを判断することは至難の業です。というか、無理です。だって知らないから本を読もうと思っているんですからね。

しかし、「知らないことがある」ということが分かっているということは、大きなアドバンテージですよ。住宅ローンの無料相談にも「ネットでかなり調べました!」という人が多くいます。確かにそれなりに知ってはいるのですが、そんな人でも、意外と基礎的な知識が抜けている人が実に多いのです。

ネットでは自分が調べた情報しか入手することができないからです。「知るべきこと」を知るには、その分野の良書を読むのが一番の近道です。

目次を読んでチェックしよう! 5つの必須論点

ここでは、専門家の見地から少なくとも目次で「これについて書かれてなければダメ!」という5つの論点について、お話しておきましょう。

  1. 家を買うにあたっての心構え(著者のコア)
  2. いくらの家が買えるのか? 資金計画の立て方について
  3. 単なる商品説明に終わらない住宅ローンの金利タイプの解説
  4. 住宅ローンの保険=団信について
  5. マイホームの購入に伴う税金(住宅ローン減税)と補助金

1.著者にコアがあるか?

著者の「一本筋の通った考え方が書かれてあるか?」は個人的にすごく大事だと思っています。

いきなり具体的な損得や数字の話に入る本が多いです。しかし、そうした各論に入る前に「“家を買う”というのはどういう事なのか?」「住宅ローンとは何か?」「この大前提について、著者の考えが書かれているのか」は重要です。

これは「はじめに」や章の前半で書かれてあるべき論点です。

2.資金計画の立て方は書いてあるか?

自分にとって最適な住宅ローンは資金計画と不可分です。住宅ローンを選ぶにあたって、まず前提として「どんな計画で返済していくのか?」があり、その次に「その計画にマッチした住宅ローンはどれなのか?」という話になるのです。

資金計画の立て方について書かず、いきなり住宅ローンの金利タイプについて書いてある本は、銀行の商品説明の域を出ない本だと言って当たらずとも遠からずでしょうね。

3.住宅ローンの商品説明以上のことは書いてありそうか?

これが意外と一番ハードルが高いかもしれません。自他共に住宅ローンを一番知っていると思われている人は現役の銀行員や銀行出身のFPです。その人にとって、住宅ローンの解説とは商品の解説なのです。

変動金利とは、借入後に金利が変動する金利タイプです。
固定金利とは、固定期間にわたって金利が固定している金利タイプです。

これが、商品説明みたいな解説です。いやいや、だからそれは分かってるけど、「自分はそれをどう当てはめていけばいいの?」ってことが知りたいんですよ我々は。

商品説明から一歩踏み込んだ解説が書いてある本はとても少ないです。

4.住宅ローンの保険についての解説

団信=団体信用生命保険とは、住宅ローンの返済中に主債務者が死亡、または高度障害になった場合、保険会社が代わって住宅ローンの残金を払ってくれる保険です。民間の金融機関で住宅ローンを借りる場合は必須の保険ですが、フラット35では任意加入です。

また火災保険は、建物や家財を対象に、火災・落雷・爆発・台風などの災害による損害を補償する保険です。民間金融機関の住宅ローンでもフラット35でも強制加入となっています。

これらについて解説していない本はまず無いと思うのですが、一応確認しておいてください。知らないとまずいです。

5.税金と住宅ローン減税、補助金の解説

マイホームを持つことでかかる税金、特にマイホームを購入することで受けられる減税や補助金に関しては知らないと損してしまいます。

特に住宅ローン減税の内容とその賢い使い方については、基本をしっかり知っておく必要がある分野です。これも保険と並んで必ず知っておかなければならない知識です。

また、税法は毎年変わりますし、補助金も毎年変更が検討されています。

なので、本の奥付けにある印刷の年度を確認してください。本はその日付の年度の税法に基づいた記述になっています。マンションなどでは完成が1年2年後ということもありますので、最新の税法については本だけでなく国税庁のHPや雑誌の最新号などで確認する方が確実でしょう。

まとめ~現時点では正解の無い少子高齢化社会での家の買い方

少子高齢化で時代が読めないからこそ正しい情報を掴もう!


これから我々を待っているのは少子高齢化社会です。家を持っておけばそれで安心かというと、必ずしもそうではない、という時代がやってきます。

これまではずっと人口は増える一方でした。人口の増加とともに経済は拡大していきました。土地、不動産の価格はずっと右肩上がりの「土地神話」がリアルだった時代もありました。

しかし、これからの少子高齢化社会は違います。人口が減っていく、それも戦争や自然災害などではなく自然に減っていく、というのは人類がいままで経験したことの無いことです。

そんな環境下で、どうやって自分や家族を守るのか?その明確な答えはありません。

私は公認会計士として、自治体の公会計導入にも携わってきました。公会計というのは少子高齢化社会で先細りする税収、その一方で増加する高齢者に対する医療費、扶助費を賄う効率化に企業会計の考え方を導入する取り組みです。

自治体や国はそうした準備を着々と進めています。

では、我々の方はどうなのか?

住まいを手に入れるというのは、こうした長期的な視野をもってやらなければならないことですが、世間にある住宅ローンのノウハウや家の買い方は?

まったく手薄なのですよ。これに対する「正解」というものはまだこの世にありません。

私が書いた『家を買う時に「お金で損したくない人」が読む本』では、その正解のない問いに正面から答えることを目指しました。ぜひ、お手にとって読むに値する本なのか確認してください。

全国の書店と通販で発売中です。千日太郎に出会った皆様が、家と住宅ローンで賢い選択をして素敵な人生を送られることを願っています。

文:千日太郎

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