すみかる住生活版

メニューを開く メニューを閉じる

子どもやペットを守るための植物知識 ~安心・安全を考えたガーデニングのすすめ~

 

「知らなかった」ではすまない ペット(犬・猫)のための有毒植物の知識

 

ペットは人と違い、飼い主が有毒植物から守ってあげる必要があります。また、個体が小さいほど、少量の有毒植物を食べても危険が伴います。

(1)(2)で紹介した植物のほか、イチイ、チョウセンアサガオ、タマスダレ、トウゴマ、カロライナジャスミン、ソテツ、アマリリス、デルフィニウム、ラークスパー、ヒナゲシ、ランタナなど、人間にとっての有毒植物はペットにも同じように有毒です。

ここでは、人は大丈夫だけれど、犬と猫に害のある植物をまとめてみました。犬と猫に危険な植物はだいたい共通で、ネギ類がよく知られていますが、犬か猫、どちらかだけに強い毒性をしめす植物もあります。

猫にはユリが少量でも危険です。デイリリーともよばれる園芸品種ヘメロカリスも危険です。
犬に有毒なのはブドウ、アーモンド、マカデミアナッツです。犬はナッツが好きなので注意が必要です。

たくさんあるので挙げきれませんが、グラジオラス、カランコエ、ジューンベリー、トマト、ドゥランタ、ミントの仲間、フジバカマ、カーネーション、キキョウ、パンジー、アジサイ、ポインセチア、ロベリア、シュッコンカスミソウなどはペットに害のある植物です。嘔吐、下痢を引き起こすカスミソウを好む猫がいるようなので注意が必要です。

猫のいるご家庭では、切り花を含め、家の中に猫に有毒な植物を置かないのが基本です。
犬、猫で問題になる観葉植物はアイビー、ドラセナ キボウシなどですが、人間にとって害のある観葉ディフェンバキア、デルフィニィウム、ポトスなども人間以上にペットに害をもたらします。

アボカドも種に毒成分が多く、死亡の恐れがあるので、種から観葉植物として育ててみるのもやめましょう。害のある種類が多いので、逆にペットに無害の観葉植物を探すほうが近道です。

もしペットが有毒植物を食べてしまったら、症状が出てからでは手遅れの場合があります。下痢・嘔吐などの症状が出ていなくても、速やかに受診するのがおすすめです。
 

安全にガーデニングを楽しむにはどうすればいいの?

 

有毒植物は種類が多く、すべてを把握するのは困難です。
安全にガーデニングを楽しむためには、身の回りの植物をそのつど、みずから調べる必要があります。ガーデニングでは、園芸植物としての観賞価値や価格が優先されていますが、子どものいるご家庭では「どこまで安全に有毒植物を管理できるか」を基準に植物を選んでみてはいかがでしょうか。

子どもに「危険を教える」のも大切です。
たとえば、種子を口に入れやすく少量でも重症になりがちな幼児にも「種は絶対に食べない」など、口に入れてはいけないものを教えましょう。また、危険だからすべて排除ではなく、親がまず知識をもって有毒植物との適切なつきあい方をくり返し教えましょう。
子どもが成長して、植物を使って遊ぶ場面で友だちを守れるくらいになったら素敵ですね。

ペットのいるご家庭では、ペットに害のある植物を学び気をつけて散歩し、庭や家の中に有害植物を置かないようにしましょう。
家庭菜園をする場合も、食用にする植物と観賞植物の場所をはっきりと分け、植木の間に食用のものを植えたりしないようにして、名札をつけておくといいですね。また、毒のあることが多い球根が土から半分出ていても危険です。ペットがかじったり、子どもが似ていると思って、玉ねぎや、いもの中に片づけてしまうかもしれません。

有毒植物による被害は、知識さえあれば避けられるものが多くあります。危険を学んでいたら、好奇心で口に入れることはないでしょう。

植物は種類が多く,有毒成分もさまざまです。
食中毒を起こすもののほかに、皮膚炎を起こすものがあります。子どもは植物を触った手で目をこすったりしがちなので危険です。大人も子どももガーデニング手袋など完全防備で作業して、植物を触ったあとはきれいに手を洗いましょう。

それでも有毒植物の事故が起きてしまったら、食中毒や皮膚炎の原因を特定するため、どこで何の植物を食べたか、さわったかをメモし、嘔吐物、食べ残しやその植物があれば病院に持っていきましょう。

みなさんが自宅の家具を選ぶ際、デザインや価格の前に、設置場所のサイズに合っているか、必要な機能を備えているかをチェックしませんか。
家具を実際に設置したところをシミュレーションしながら、とことん気に入った物を探すでしょう。

植物も家具同様のこだわりをもって探してみませんか。間違いのない植物選びも、優先順位をつけて調べることから始まります。植物を置いたり植えたりする空間の利用目的が子どもと遊ぶことだったら、その場にふさわしい植物をイメージできるはずです。

有毒植物の知識は家族の命を守る可能性があります。私もこの記事を書いたのを機に、自分がいなくなったら有毒植物だとわからなくなってしまう植物を庭から排除しようと決めました。
安全なガーデニングを楽しむために、ご自宅の植物をリストアップし、チェックしてみてはいかがでしょうか。

関連記事

CLOSE