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家を購入するのは消費税10%になる前、それとも増税後?

2019/01/17

ブロガー

この記事を書いた人

関西地方在住のブロガー。昭和47年生まれの男性という以外は、詳細を明らかにしていない。自身もリーマンショックの年の2008年に新築マンションを購入し、住宅ローンを借りている。
インターネット上には家の購入や住宅ローンを選ぶときに役立つまともなサイトが少なすぎるという思いから「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」及び「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」を運営しており、一般の人からの住宅ローンや不動産購入についての相談に無料で答え、個人を特定できない形でその質問と回答を公開している。

こんにちは、ブロガーの千日太郎です。2019年10月から消費税が10%に上がることが確定的となりました。

また、住宅ローン控除(住宅ローン減税)は現行の10年から3年延長が確定的となっています。延長する3年間は、建物価格の2%の3等分と借入残高の1%のどちらか少ない方の金額です。

さらに、すまい給付金は現行では年収510万円以下の人を対象として最大30万円ですが、消費税が10%となってからは給付を受けられる年収の上限が775万円に上がり、給付の上限も50万円に上がります。

消費増税後のデメリット 消費増税後のメリット
消費増税によって
家の購入にかかる支出が増える。
住宅ローン減税が3年延長される。
すまい給付金を受けられる年収の上限と給付額の上限が引き上げられる。

これからマイホームを購入しようという人にとっては増税前と後でどっちがトクになるのか?が気になりますよね。

消費増税によってマイホームを購入する際に増える支出額。
延長された住宅ローン減税+拡大されるすまい給付金。

この比較を行うことで自ずと明らかになります。

また、住宅ローン控除(住宅ローン減税)は借入額や建物の金額によって違ってきますし、すまい給付金は収入によっても違ってきます。

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新築と中古で違う消費増税の支出増

消費税は単純に物件価格に税率を乗じたものではありません。消費税は建物の値段にだけ課税され、土地には課税されません。

例えば『4000万円の家で消費税が2%増税になると4000万円×2%=80万円支払が増える』というのは誤りです。

そのうちの建物の価格が2000万円ならその2%で40万円の支払いが増えるというのが正解です。

建物も決して少額ではありませんが、前述のように、4000万円の家の半分が建物とすれば消費増税の影響額は20万円です。このくらいは値引き交渉すれば比較的無理なく引いてもらえるような金額ですよね。

また、中古住宅を購入する場合はそもそも消費税がかからないケースが多いです。というのも、不動産業者でない一般人から住宅を購入する場合は非課税だからです。

例えば、読み終わった本をブックオフに売るのに、その代金を消費税込みでもらうことが無いのと同じことです。中古住宅の場合10%の消費税がかかるのは、不動産仲介業者に支払う仲介手数料や銀行に払う融資事務手数料だけなのです。

消費税が上がるというだけで、慌てて購入するとかえって損をしてしまうこともあるでしょう。

一番カンタンな消費増税の影響額の計算方法

購入予定の物件価格で計算しよう
消費増税の影響額は厳密に計算するとかなり面倒なのですが、数万円位の誤差を許容するなら割と簡単に計算することができます。

《前提条件》
家の価格のうち、土地と建物の価格は半々とします。
仲介手数料は一律3%+6万円(税抜き)とします。
住宅ローンの金利は一律1.38%(35年固定金利)とします。
住宅ローンの手数料は一律2%(税抜き)とします。

新築住宅の増税影響は約1.04%

新築住宅の価格は土地と建物から成り立っていますが、そもそも土地には消費税がかかりませんので、消費増税の影響は以下のようになります。

不動産価格の半分(建物)に対する2%なので1%
仲介手数料はゼロ円
住宅ローン手数料は2%×2%で0.04%
その他司法書士報酬や引っ越し代などの2%

なので、
消費増税の影響額は不動産価格(=借入額)×1.04%+α程度という感じです。

中古住宅の増税影響は約0.1%

中古住宅の価格も土地と建物から成り立っていますが、個人から購入する場合には土地・建物のどちらにも消費税はかかりません。付随する手数料だけです。

仲介手数料は(3%+6万円)×2%で0.06%+1200円
住宅ローン手数料は2%×2%で0.04%
その他司法書士報酬や引っ越し代などの2%

なので、
消費増税の影響額は不動産価格(=借入額)×0.1%+α程度という感じです。

2019年住宅ローン減税の恩恵は?

次に、住宅ローン減税の拡充を提言した政府税調の税制改正大綱のポイントを整理しておきましょう。

3年延長によって増える減税額は?

住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、年末の住宅ローン残高の1%が所得税等からキャッシュバック(税額控除)される減税制度で現行法では、最大10回(10年)です。

それが…

住宅ローン減税を今の10年から3年延長する。
延長する3年間は、建物価格の2%の3等分と借入残高の1%のどちらか少ない方の金額。

というものになっていて、3年延長することによる減税額の上限額はおおむね建物価格の2%となるように調整されています。実際に新築住宅の場合で比較してみると分かります。

不動産価格=借入額のフルローンとして、1000万円から8000万円で消費増税の影響額と住宅ローン減税の3年延長部分の比較表を作りました。

価格=借入 増税影響 住宅ローン控除延長影響
ローン1% 建物2%
1000万円 114 213 100
1500万円 166 319 150
2000万円 218 426 200
2500万円 270 532 250
3000万円 322 639 300
3500万円 374 745 350
4000万円 426 852 400
4500万円 478 958 450
5000万円 530 1,065 500
5500万円 582 1,166 550
6000万円 634 1,200 600
6500万円 686 1,200 650
7000万円 738 1,200 700
7500万円 790 1,200 750
8000万円 842 1,200 800

(単位:千円)
(注)一般の住宅の住宅ローン控除(住宅ローン減税)の上限は1年40万円なので3年で120万円

例えば4000万円の新築マンションをフルローンで購入する場合、消費増税の影響額は約426,000円です。これに対して住宅ローン控除(住宅ローン減税)の3年延長分は852,000円と400,000円の小さい方ですから400,000円ですね。

つまり消費増税の影響額の方が26,000円ほど大きくなるので、住宅ローン控除(住宅ローン減税)だけでは消費増税よりオトクとは言えないということですね、すごく僅差ですが。

但し、年収が510万円~775万円という人は、増税後に購入することで、本来なら給付されなかった『すまい給付金』を手にできますので、すまい給付金と合わせ技一本で消費増税後の方がオトクということになります。

3年延長されるのはいつの契約、引き渡しから?

工務店などに建築を依頼する注文住宅の場合は2019年4月以降の契約かつ10月以降の引き渡し、建売住宅とマンションは2019年10月以降の引き渡し物件が対象です。

いずれも2020年末までに引き渡される契約に限られます。

注文住宅の場合、2019年3月以前の契約ならば2019年10月以降の引き渡しでも、消費税8%なので3年延長の対象になりません。消費税が8%か10%かは選択適用ではなく、強制適用になる点に注意が必要です。

また新築マンションなどでも、あえて注文する部分を設定することで2019年3月までに契約すれば2019年10月以降の引き渡しでも消費税が8%になるようにしているデベロッパーもあるようです。

中古住宅の場合、住宅ローン減税の3年延長は無い!?

なお、中古住宅の場合は、消費増税の影響は不動産価格の約0.1%ほどですね。それで建物の2%分の住宅ローン減税が受けられるのであれば、すごく儲かりますよね!

但し、これについては政府与党の税制改正大綱ではどっちつかずの規定となっていまして、正式に国会で決議されて法律になるまでは確定的なことは言えません。

もしも3年延長が無かった場合は、新築住宅と同じくすまい給付金との合わせ技一本で増税後がお得ということになります。

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消費税率8%の『すまい給付金』は年収510万円以下の人を対象として最大30万円です。
消費税率が10%になると、収入額の目安が775万円以下の人に対象が拡大され、給付額も最大50万円に増額されます。

すまい給付金の概要(増税前後)
消費税8%の場合 消費税10%の場合
年収425万円以下の人
「30万円」給付
年収450万円以下の人
「50万円」給付
年収475万円以下の人
「20万円」給付
年収510万円以下の人
「10万円」給付
年収525万円以下の人
「40万円」給付
年収510万円超の人
給付なし
年収600万円以下の人
「30万円」給付
年収675万円以下の人
「20万円」給付
年収775万円以下の人
「10万円」給付
年収775万円超の人
給付なし

年収が510万円~775万円という人は、増税後に購入することで、本来なら給付されなかった「すまい給付金」を手にできます。年収511万円の人なら、0円だったものが40万円を受け取れますので大きな違いですね。

つまり、増税後のすまい給付金が増える人については、住宅ローン控除(住宅ローン減税)とすまい給付金を両方フルに受けることで増税後の方がお得となることがあります。

しかし、年収が775万円を超えていて、どちらにしてもすまい給付金を受け取ることの出来ない人は、消費増税前の方がお得になるでしょう。

まとめ~増税と減税は均衡している

まとめますと、消費増税によって増える支払額と住宅ローン減税+すまい給付金は概ね均衡しているという結果になりました。

政府としては極端に増税前に駆け込みで消費が増えて増税後に不況に陥ることを避けたいですが、逆に皆が増税後まで買い控えして増税前の景気がより悪化してしまうことも避けたいということでしょう。

増税前と後でどちらが得になるのか?ということも大事ですが、本質的には後悔の無い家を見つけることが先決です。

購入する家が決まった上で、増税前ならばどういう買い方がお得になるか?増税後ならばどういう買い方がお得になるか?ということを考えるのが本来の優先順位です。

千日太郎に出会った皆様が家と住宅ローンで賢い選択をし、素敵な人生を送られることを願っています。

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