夏から秋へ、冬から春へ。
季節の変わり目はなにかと体調を崩しやすい時期でもあります。
特にその時期に多いのが頭痛。
悩まされる方は意外と多いのではないでしょうか?
今回は季節の変わり目の頭痛がなぜ引き起こされるのか、原因とその対処法についてご紹介します。
自律神経の乱れが頭痛を引き起こす?
頭痛が引き起こされる大きな要因の一つは自律神経の乱れです。
「自律神経って?乱れるってどういうこと?」という方のために、初めに自律神経の働きについてみていきましょう。
そもそも自律神経ってなに?
自律神経は二つの神経に分けられます。
これら2つの神経が必要に応じ切り替わって、循環器や消化器などのあらゆる身体の活動を調整しているのです。
しかしある要因によって2つの神経のバランスが乱れてしまうことがあります。
そうなると、頭痛や倦怠感・眠気といった不調、イライラしやすくなるなど、心身ともに悪い影響を与えてしまうのです。
季節の変わり目は自律神経が乱れやすい
季節の変わり目の頭痛は、この自律神経のバランスの乱れが原因で引き起こされます。
実は季節の変わり目は自律神経のバランスが乱れやすい時期でもあるのです。
その要因を説明していきます。
気温や気圧の変化
一つは天候の変化が関係しています。
冬から春に移る頃は、三寒四温という言葉もあるように、寒い日と暖かい日が交互にやってきますよね。
夏から秋に移る頃も同じように日によって気温差が激しいのに加え、台風などで気候が不安定になることも多い時期です。
気温や気圧の変化が激しいと、自律神経が適応しきれずに交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまいます。
その結果、頭痛が引き起こされるのです。
季節の変わり目でなくても、雨の日に頭痛が起こりやすいという人も、同じように気圧の変化で自律神経のバランスが乱れることが原因の一つです。
このように、天候が原因で引き起こされる体調不良は「気象病」や「天気痛」などと呼ばれ、たくさんの人を悩ませます。
生活環境の変化
春と言えば新生活がスタートする時期。
入学やクラス替え、部署移動など、生活環境が大きく変化する時期ですよね。
自覚がない人もいるかもしれませんが、私たちの身体はこのような生活環境の変化に対応しようとして、少なからずストレスを感じています。
ストレスは交感神経を活発にするため、結果自律神経のバランスを乱してしまうのです。
頭痛に限らず、春に体調を崩してしまう人が多いのは、このような生活環境の大きな変化が関係しているのでしょう。
自律神経が乱れやすい人はどんな人?
これまで頭痛が引き起こされる原因は「自律神経の乱れにある」ということを見てきました。
しかし全員が季節の変わり目に自律神経のバランスが乱れるわけではありません。
もちろん乱れやすさには個人差があります。
自律神経が乱れやすい人は以下のような特徴があると言われています。
以上の項目に当てはまる人は、特に季節の変わり目の体調管理には気を付けましょう。
慢性頭痛の症状も出やすい!
慢性頭痛とは、原因となる病気がないにもかかわらず頭痛が定期的に引き起こされる症状のことを言います。
いわゆる「頭痛持ち」である方はこの慢性頭痛が原因です。
季節の変わり目になると慢性頭痛の症状も出やすいとされています。
今回は慢性頭痛の中で代表的な二種類についてご紹介します。
片頭痛
片頭痛は鼓動に合わせてこめかみあたりがズキズキとひどく痛むのが特徴で、患者は日本の5~10%に上ると言われています。
突然やってくるこの症状も季節の変わり目に起こりやすいのです。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は頭全体が締め付けられるように痛むのが特徴です。
あまり聞きなれない名前かもしれませんが、日本の約20%の人が悩まされていると言われています。
患者数は片頭痛よりも多いのです。
身体的、精神的ストレスにより引き起こされることが多いので、季節の変わり目は要注意です。
頭痛の予防法と対処法をご紹介
激しく痛む頭痛とは、なるべくなら無縁の生活を送りたいですよね。
季節の変わり目に頭痛が起こらないように、また起こってしまったときに痛みをなるべく抑えられるように、予防法と対処法をご紹介します。
身体を冷やさない
前述したように、季節の変わり目は日によって気温が激しく変化します。
それに加え朝晩と昼間の気温差も大きくなり、昼間は暖かいけど朝晩は寒いなんてこともよくあります。
身体を温度変化にうまく適応させるためには、衣服での体温調節が必要不可欠です。
上着など調節できる服装をするか、なるべく暖かい格好をして出かけましょう。
また入浴の際はシャワーだけでなく湯舟につかって身体を温めることも大切です。
リラックスして副交感神経が働き、自律神経のバランスを整える効果があります。
睡眠をしっかりとる
春は生活環境が大きく変わる季節です。
緊張したりわくわくしたりして、思わず夜更かししてしまうことがあるかもしれません。
睡眠不足は自律神経のバランスを崩す原因の一つなので、なるべく心を落ち着かせて睡眠時間を多く取るようにしましょう。
眠れないときは蒸しタオルやホットアイマスクで目元や首元を温めると、副交感神経の働きが強まり、リラックスした状態で眠ることができます。
試してみてくださいね。
ツボを押す
頭痛の予防をしていたのに症状が出てしまった・・・。そんなときに応急処置として激しい痛みを和らげる方法の一つは、ツボを押すことです。
ツボを押すときは手のひらや親指を使って、気持ちいいと感じる程度にやさしく押すことが大切です。
ここでは頭痛に効くツボを3つご紹介します。
<百会(ひゃくえ)>
百会とは頭のてっぺんにあるツボのことです。
身体の中心に向かって垂直に押しましょう。
頭痛の他にも肩こりや眼精疲労にも効くと言われています。
<天柱(てんちゅう)>
首の後ろにある一本の骨、その両側に筋肉のくぼみがあるかと思います。
そのくぼみは天柱と呼ばれるツボであり、頭痛や顔のむくみなどに効くツボであると言われています。
<頷厭(がんえん)>
頷厭はこめかみにあるツボです。
頭痛の種類によってはこの場所が痛むこともありますので、その時は痛くない程度に優しく押すようにしましょう。
カフェインを摂取する(片頭痛の場合)
頭痛がするときにコーヒーや紅茶、緑茶などを飲むと痛みが緩和されることがあります。
「なんで!?」と思われるかもしれませんが、これらの飲み物に共通して含まれているカフェインには、脳内の血管を収縮させる効果があります。
片頭痛は脳内の血管が膨張することで痛みが発生します。それを収縮させることで痛みが和らぐのです。
一方赤ワインやチョコレートには要注意。
逆に血管を拡張させてしまう効果があるので、頭痛がするときにはなるべく摂取しないようにしましょう。
まとめ
季節の変わり目に起こりやすい、頭痛。
気圧や気温の激しい変化や、生活環境の変化が重なることで起こります。
たとえ一時的な痛みであっても頭痛はつらいもの。
普段の生活から対策ができるので、頭痛に悩まされる人はぜひ紹介した方法を実践してみてください。
どうしても痛みが治まらない場合は我慢をせず、早めに病院を受診することをおすすめします。