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アサコが気にする産み分け方法とは? 〜マダム・リリーのお悩み相談サロン【Case.5】〜

マダム・リリーがアサコに伝えたいことは?

リリー「1つ言っておくと、産み分けをおこなうと妊娠する確率はかなり低くなるわよ。女の子を希望するなら特にね。排卵2日前にしか性交しないわけだから、なかなか狭き門よね。クリニックに行っても、第一子不妊の人や、35歳以上の人は、大概はやめた方がいいって言われるみたいよ。

はっきりとしたデータは出せないものだけど、産み分け法をすべて実践すると、70〜80%の確率で成功するといわれてるわ。一見、高い確率に思えるわよね。でもこれって、産み分けをきっちり実践した低い妊娠率の中で妊娠が成立した人、その中での産み分け成功率が70〜80%というわけね。

いくら産み分けが高確率で成功していようが、そもそも妊娠自体が成立しなければ意味ないわけじゃない。それに、これは私個人の見解だけど、男女の比率はほぼ50%ずつなわけで、産み分けをしようがしまいが、結局はそこに淘汰されるのよね。

そう思うと、生物ってほんとにうまくできているわよね。いくら科学が発達して人為的に操作しようとしても、生物全体としては、ちゃんと元来プログラムされたとおりになっていくものなんだから。

でも、個人単位でいえば、何もしないよりは少しは確率が上がるかもしれないわよね。あなたは3人目だから、女の子じゃなければすぐにできなくてもいいのかしら? もしもそのくらいの気持ちなら、毎回きっちりと産み分け法を続けていけば、いつかは女の子を授かる可能性も高まるでしょうね。

34歳だから年齢はぎりぎりってところだけど、案外すぐに成功して女の子が産まれるかもしれないし、長い間産み分けを続けてやっと妊娠成立しても、男の子が産まれるかもしれない。こればっかりは、神のみぞ知るってやつよね。

まあ、自己流にせよ専門家の指導を受けるにせよ、とりあえず何回か試してみたらいいんじゃない? もしもしばらくできなかったら、その時また考えなさいな。

あ、あなたにこれをあげる。“クランベリーサプリ”よ。クランベリーは酸性の物質が多く含まれていることから、欧米では、クランベリーサプリを摂取してる人は女の子を出産しやすいといわれてるんだって。まあ、科学的な根拠は一切ないから、おまじないみたいな気持ちで飲むくらいがちょうどいいわ。もちろん、過剰摂取はだめよ。これに興味のある人が、きっとくると思って買っておいたの。

サプリだけじゃなくて、産み分け法すべて、おまじないくらいの気持ちで取り組むのがちょうどいいと私は思うわ。期待しすぎると、希望どおりの性別じゃなかった場合、がっかりが大きくなってしまうでしょ。そんな気持ちを持った自分に自己嫌悪したり、赤ちゃんに対して罪悪感がわいたりしたら、せっかくのおめでたい瞬間にもったいないじゃない?

子どもの性別を希望すること自体は、別に昔から普通のことよ。でも、あえて言うまでもないことだけど、産まれてきた赤ちゃんは、性別に関係なく、みんな宝ものだものね。」

アサコ「そうですね! 私、産み分け法があることに興奮して、期待しすぎてたかも。もうちょっと落ち着いて考えます。ところで、マダムは結局、産み分け成功したんですか?」

リリー「ふふ。私? 女の子の産み分けは1回でやめて、男の子の産み分けは1回目で成功したわよ!」

アサコ「あはは、そうなんですね! ありがとうございました! マダム・リリー!」

そう言って、サロンをあとにしたアサコ。
クランベリーサプリを口に放り込みながら、目が覚めた次男に、「弟と妹、どっちがいい?」と笑いかけます。

文:つかまい子

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