すみかる住生活版

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発達障害グレーゾーンの落とし穴~でこぼこ三兄弟を育てて~

長男と次男の違い〜発達障害にも種類がある〜

発達障害手書き図解2

「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」より(ポプラ社)

得意と不得意の差が大きいこと、それが発達障害なんだとわかったのは最近のことです。知能の遅れはなくても、生きづらくなってくるという現実。そんなことがあるとは思ってもいませんでした。

我が家にはもう1人、でこぼこさんがいます。次男は、長男とは少し違った形の発達障害でした。小さい頃から私のそばを離れず、知らない場所へいくと固まっている子どもでした。

年少の頃は、幼稚園でも集団行動には入らずに、隅っこで見学していました。お弁当も食べずに残してくることが多く、プチトマトしか食べませんでした。登園渋りは長男よりもひどくて、毎朝が戦いでした。

それでも家では特に問題を感じず、むしろ長男よりもやりやすいと感じていました。長男だったら必ず場所を聞きにきたのですが、次男は自分で色鉛筆を取りだしていて、驚いたのを覚えています。

年中になる頃には、人との関わりが上手くいかなかったり、言葉が上手く出なかったりと問題も出てきたので発達検査を受けにいきました。

その時の診断名は「言語遅滞と感覚障害」。年長の1年間、療育を受けました。その間、次男は見違えるように生き生きとし、けろっと幼稚園に登園するようになったのです。

それで私は大丈夫だと思い、小学校も普通学級に入れることにしました。でもそれは甘かったようで、小学校6年間は不登校との戦いの日々でした。

長男中学生、次男小学生の現状

次男は5年生の二学期頃から、まったく学校に行けなくなりました。

きっかけはいじめだったのですが、それはもしかしたら、次男の素質がそうさせたのかも知れません。昔から、からかわれやすい子どもでした。

そして、長男も中2になった頃から、朝起きられなくなったり、起きても調子が悪くなったりと、遅刻や早退が増えてきました。

病院では起立性低血圧と診断され、薬を飲みながら頑張っていたのですが、いよいよ中3になる前から学校に行けなくなりました。

2人が不登校になって、私は初めて、このままではいけないと気付いたのです。今までと同じように無理矢理連れて行くというやり方は、もうできない。

そもそも、問題はどこにあるのか?根本的な問題は、私自身にもあるかもしれないし、それが息子たちの発達の問題にも関係しているかもしれない。

小児科の先生に相談したところ、やはり二次障害を起こしている可能性が高いと言われました。もう身体の不調で表すことでしか、伝えるすべがないほどこじらせてしまったのです。

現在、長男は中3、次男は小6、進学を控えて環境が変わる時期でもあり、今がチャンスだと思えばいい。
そう考えた私は、今もう一度2人と向き合って、発達検査を受け直し、自分の得意と不得意を彼ら自身に受け入れて欲しいと思い、動き出しました。

これからのこと

男児の後ろ姿

もう一つ。子どもたちの発達について、彼らを観察したり、本を読んだりしていくうちに、わかったことがあります。

それは、私自身にもその素質があるということ。2人の困っていることが、なんとなく私の悩みと重なっていたり、わかり合えることがあるのです。

そういえば、私も生きづらかったんだな、と過去を振り返ることは少し辛いことでもあるけれど、子どもたちはそれを気付かせてくれているのかも知れません。ちょっと意識を変えてみることで、子どもたちの困った行動も、意味のあるものだとわかります。

三男はもうすぐ5歳。やはり少し不安が強い様子で、外では言葉が出なかったりします。記憶することも苦手だけれど、空間認知能力が優れているようで積み木やパズルが得意です。

診断名が出ても、グレーゾーンでも、その子の得意を伸ばせばいいし、不得意は助けていけばいい。それくらいシンプルに考えてもいいんじゃないか、と最近やっと思えるようになりました。

まだまだ先は長いです。この時期に気づけたことに感謝しながら、でこぼこな個性に私自身の視野を広げてもらいながら、共に成長していきたいと思います。

大変なことは多くても、何よりも、でこぼこな子どもたちが愛おしく感じる今日この頃。それは自分自身を受け入れることができた証拠なのかもしれません。

文:にじ種えり

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