すみかる住生活版

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【マンガ】自営業はとことん不利! 日本は認可保育園の審査基準が時代遅れすぎる背景には◯◯があった【松本えつをの子育てあるあるvol.46】

今さらながら「保育園」と「幼稚園」の違いとは?

ところで、「保育園」や「幼稚園」などという言葉はよく耳にすると思うが、その明確な違いって何だろう。

なんとなく、「保育園は親が働いている場合に行くところで、幼稚園はそうじゃない場合に3歳くらいから行くところ。両方とも小学校に入る前まで!」といった理解はあるかと思う。

たしかにそういった理解で間違いはないのだが、詳しく違いを述べるとすると、次の表のようになる。

驚くべきことに、保育園と幼稚園では属するカテゴリがそもそも違うのだ。

保育園は「福祉施設」の一種、幼稚園は「教育施設(学校)」の一種。
保育園を管轄するのは「厚生労働省」、幼稚園は「文部科学省」。

属するカテゴリや管轄する省が異なるということは、とうぜん、その存在意義や目的も大きく異なるのである。

あくまで「原則として」という前置き付きだが……
保育園は、親が仕事などで育児できない場合、それを「助ける」ために存在する。
幼稚園は、小学校に上がる前から「教育する」ために存在する。

一家の大黒柱が外に働きに出て、家計の収入源のすべてをまかなうということが当たり前の時代はそれでよかったのかもしれない。
しかしながら、現在の日本の家庭状況は、かつてから大きく変わった。
なんと、共働き世帯が世帯全体の6割以上を占めているのだ。

よって、多くの母親は、出産のために休んでいた仕事に早々に復帰する。
復帰するには子どもを保育園にあずけるしかない。
ざっくり全体の6割の世帯が保育園を必要とするわけだから、保育園や保育士の数が追いつかない。
そして、多くの子どもたちがあぶれてしまい、待機児童となる。

それはつまり、両親のうちどちらか一方は働きに出られないということでもあり、働きに出られないということはつまり、共働きというデフォルトの状態で頼りにしていた収入が得られず、経済的にも困窮するということになる。

子どもの教育のために「希望する幼稚園に入れるか否か」とは、この時代となっては贅沢な悩み。
多くの世帯が、それ以前に、「保育園に入れるか否か」(暮らしていけるか否か)の瀬戸際で闘っているのである。

認可保育園と認証保育園と認可外(無認可)保育園の違い

保育園といっても、それにはまたいくつかの種類がある。

それは、小学校・中学校・高校などのように「公立か私立か」ということではなく、「認可か認可外(無認可)か」ということで線引きされるものである。

「認可保育園」は、国が定めたいくつもの条件をクリアした園で、公費により運営され、保育料は所得税納税額に従って定められた額を親が市町村に支払う。

「認可外(無認可)保育園」は、認可されていない保育園で、園が運営費を負担し、保育料は園が定めた額を親から保育園に直接支払う。

また、東京都に至っては、独自の政策により出現した「認証保育園」というものもあるから、余計にややこしいが、これも「認可外(無認可)保育園」のカテゴリに入る。

当たり前だが、前項の「幼稚園」は、そもそも教育施設の一種のため、上記の図のどれにも属さない。
言い換えると、上記保育園はすべて福祉施設の一種である。

認可保育園に入るためには?

児童1名あたりの面積や保育士の人数、提供する食事のスペックなど、さまざまな条件をクリアし、かつ、保育料が世帯の所得税納税額に応じて定められる「認可保育園」はとにかく人気が高く、特に都心部では多くの場合、すべての園で定員オーバーである。

そうなるととうぜん、「入るための活動 = 保活」の重要度が増し、親がそこにかけるパワーや時間も増えてくる。

認可保育園に入るためには、マンガや下図にあるように、通える範囲(かなり広め)の保育園の情報収集をし、できるだけ多くの園に問い合わせ、見学に行き、区市町村の役所に出向き、入園希望を伝え、必要書類(かなりの量!)を作成し、申し込みをし、その結果、区市町村のくだす判定を待たなければならない。


区市町村の多くは、その書類の審査のために「点数制」を取り入れている。
何が点数の基準になるかというと、とにもかくにも「その家庭は育児をしづらい要素をどれだけ兼ね揃えているか」である。
そう、それが、前述した “ 家庭環境の「何か」” だ。

その「何か」においては、子どもの能力・性格などのスペックの高さは一切関係ない
子どもがどれだけ頭脳優秀で穏やかな性格の子であるかをアピールしても、まったくのムダである。

さらに、親の能力(仕事能力・学力)・性格・収入・社会貢献度などのスペックの高さも一切関係ない
職場でどれだけ重要な役職についているかなどのアピールもムダ! 両親のうちどちらかが昼だけでなく夜も働いているという「ダブルワーク・働きマン」ぶりをアピールしてもムダである。

それでは、どんな状況を伝えるのが望ましいのだろうか。

区市町村によってまちまちなため、一概には言えないが、たとえばこんな事実があることを伝えられれば点数は相対的にプラスに働くと思っていいだろう。

【 加点となる要素の一例 】

《1》 シングルマザー or シングルファザーなどの「ひとり親家庭」である。

《2》 両親、あるいはどちらか一方の親が、身体に障がいを持っている。

《3》 両親ともに、被雇用者である(自営業ではない)。

《4》 両親ともに、すでに週5日以上、フルタイムの仕事に復帰している。

《5》 申し込み時点ですでに子どもを認可外保育園に通わせている。

《6》 両親の両親が、同区市町村以外(遠方)に住んでいる。

《7》 親が子ども同伴での就労を「まったくしていない(できない)」。

ただし、これらの項目すべて満たしている場合でも、競争率によってはかならず入れるとは限らない。

また、現状を見ると、たとえば東京都内の激戦区の場合、これらの項目のうち、3つ以上落としていると、入れない確率はグンと高くなってしまうと言えるのでは……?(……涙)

そして、審査の結果、区市町村が「お宅の子、◯◯保育園入っていいよ」と言えば合格! 保活という名の戦争に勝利したことになり、「お宅は不承諾!」と言えば、不合格! 保活という名の戦争に敗北したことになるのだが、親たちはその判定に対して、もはや為すすべを持たない。

保育園入園のための「激戦区マップ」や「必携! 保活マニュアル」的なものが出てきたり、「裏ワザ」がクチコミで蔓延したりするあたりは、まさに「お受験戦争」そのものである。

ユッキーの場合を見てみると、どうだろう。

《1》 シングルマザー or シングルファザーなどの「ひとり親家庭」である。
→ No! 満たしていない。

《2》 両親、あるいはどちらか一方の親が、身体に障がいを持っている。
→ No! 満たしていない。

《3》 両親ともに、被雇用者である(自営業ではない)。
→ Yes! 満たしている。

《4》 両親ともに、すでに週5日以上、フルタイムの仕事に復帰している。
→ No! 満たしていない。

《5》 申し込み時点ですでに子どもを認可外保育園に通わせている。
→ No! 満たしていない。

《6》 両親の両親が、同区市町村以外(遠方)に住んでいる。
→ Yes! 満たしている。

《7》 親が子ども同伴での就労を「まったくしていない(できない)」。
→ Yes! 満たしている。

ユッキーの場合は、《3》《6》《7》は、満たしているけれど、《1》《2》はもともと満たしていないし、《4》《5》も、現時点でユッキーが育休中(復職予定なだけ)だから満たしていないことになるね。

これだと、激戦区で勝ち抜くことは難しいだろう……。

保育園に入りたかったらとにかく「被雇用者」になれ? 自営業にはとことん厳しい保育園事情

前項の【 加点となる要素の一例 】を見て、なんらかの違和感を感じざるを得ないのは、わたしだけではないはず。

たとえば……

《1》 シングルマザー or シングルファザーなどの「ひとり親家庭」である。
→ わかる。

《2》 両親、あるいはどちらか一方の親が、身体に障がいを持っている。
→ これもわかる。

《3》 両親ともに、被雇用者である(自営業ではない)。
→ まったくわからない。

《4》 両親ともに、すでに週5日以上、フルタイムの仕事に復帰している。
→ まぁ、わかる。

《5》 申し込み時点ですでに子どもを認可外保育園に通わせている。
→ 一部、わかるが、最終的には、わからない。

《6》 両親の両親が、同区市町村以外(遠方)に住んでいる。
→ まぁ、わかる。

《7》 親が子ども同伴での就労を「まったくしていない(できない)」。
→ まったくわからない。

……といった感じなのだが、「わかる」「まぁ、わかる」以外のところをなるべく簡単に解説してみる。

《3》 両親ともに、被雇用者である(自営業ではない)。
→ まったくわからない。

世の中には「雇用者(自営業はこっち)」「被雇用者」「そのどちらでもない」の3種類が存在する。
そのうち、「雇用者」「被雇用者」は原則としてどちらも「仕事をしている身」であるわけだが、なぜ、その2者のうち、「被雇用者」を優遇するのか。
その理由がまったくわからない。

ちょっと歪んだ視点からの物言いになるが、この基準を考えた人は「自営業」について、ほとんど何も知らないのではないかと思う。

失礼な表現なのは承知のうえだが、その人はもしや「自営業」と聞いてこんな光景を思い描くような人ではないだろうか?

〜 古き良き昭和の時代の商店街の一角。軒先には商品が並び、店の奥には和室がある。軒先から声をかけると奥さんがかっぽう着で濡れた手を拭きながら「まいどー」と言って出てくる。奥の和室からはまだ生まれて数ヶ月の赤ちゃんの元気な泣き声が聞こえる。「今日も元気な泣き声だね〜」と声をかけ、惣菜を2種類選んでお代を払う。奥さんは「まいどあり。またお願いしますね」と笑う。〜

もしそうだとしたら、無知もたいがいにしろ! である。

いやいや、この「古き良き昭和の商店街の光景」の中に出てくる奥さんが仕事をしていないと言ってるわけではないのよ。
この奥さん、お客さまに向けては笑顔かもしれないけれど、ちっちゃい子を育てながら店番しなくてはならないのって、そうとう大変だと思うのね。

でも、その奥さんと同じ立場を経験していない人からしたら、子どもを仕事場の近くで寝かせておけて、役割は店番のみって状況なら、まだ恵まれていると思うでしょうし、実際に大変で効率がだだ下がりになるけれど、「不可能ではない領域」とも位置付けられる。
だから、もし誤解だとしても、それはもう防ぎようのない誤解なの。

けれども、現代における「自営業」のほとんどは、「古き良き昭和の商店街の光景」みたいなやつじゃないから!

「自営業」は「フリーランス」の立場だとしても業種によってはまず赤ちゃん見ながらはできないから!

それに、「雇用者」も「自営業」の一種とされているけど、「被雇用者」となんら変わらないし、「被雇用者」より有利な点なんて別にないから!

会社やってたら会社に出社しての作業になるし、むしろほかの人には立場上どうしても任せられない仕事が山積みになって、てんてこ舞いで泣いてたりもするから!

……と、たまたまフリーランスも雇用者もそこそこ経験してきた立場に寄って、叫んでみた。

繰り返すが、「古き良き昭和の商店街の光景」に出てくる奥さんもすごい大変だ。
でも、それはそれ、これはこれであり、同じくくりで簡単に一括処理されるのは違うと思う、ということだ。

保活業界における「自営業」とは、ひとことでいうと「他者に雇用されていない者全般」を指すわけで、たとえば、次のようなものは、すべて「自営業」と見なされる。

・フリーランスのデザイナー、プログラマー、カメラマン(写真家)、イラストレーター、編集者、営業マン……,etc.(個人事業主のくくり)

・個人経営の飲食店、青果店、美容院、マッサージ屋、カフェ、お弁当屋……,etc.(同じく個人事業主のくくり)

・有限会社や株式会社を経営している人(法人のくくり)

……これらすべてをまとめてひとくくりにして「自営業」とし、その時点で「被雇用者」よりも保活において不利な立場に一括格下げする、というのは、あまりに仕事が「雑」ではないか。

それに、そんな「雑」な仕事してるから、国が願っているように「元気な日本」にならないんだよ。

だって、自営業が子育てに不利なら子育てする女性は会社を辞められない。
もちろん、特技を生かして独立開業だってできない。

 ↓

独立したところで保育園に入れないなら、けっきょく育児中であることを理由に開店休業するしかない。

 ↓

さもなくは、子どもは産まない。

 ↓

その結果、少子高齢化はもっと進み、税金をどんどん上げないと国も貧乏になる。

 ↓

国民は困窮する。

 ↓

日本、元気になるわけない!

そのくらい、想像できないものだろうか。
そして、それならばあまりにも想像力が貧弱しぎやしないだろうか。

日本を元気にしたいならむしろ自営業を加点対象にし、その分、自営業の人にちゃんと詳しい資料を出させろ! と思うけどな。

《5》 申し込み時点ですでに子どもを認可外保育園に通わせている。
→ 一部、わかるが、最終的には、わからない。

認可外保育園に空きが十分にあるなら、しかたない。わかる。
でも、「近隣の認可外保育園に空きがなくてやむを得ずベビーシッターにあずけているケース」が不利になることがあるのは、わからない。

ざっくり「かかるお金」では、原則として次のような式が成り立つと思う。

 認可外保育園(例:月額7〜8万円) < ベビーシッター(例:月額20万円)

そして、認可保育園の入りやすさは、次のようになっている。

 認可外保育園に入れている > ベビーシッターにあずけている

ベビーシッターにあずけている人の多くは、もっとも高いお金を払って、もっとも認可保育園に入りづらい状況にいるわけだよね。

もう、これじゃ、保活の最初から最後まで踏んだり蹴ったりじゃないですか。
絶望とはこのことじゃないですか?

《7》 親が子ども同伴での就労を「まったくしていない(できない)」。
→ まったくわからない。

たとえば、ある母親が、認可外保育園の空きがないためベビーシッターに依頼をしていたとする。
ベビーシッターを依頼すると時間単位でお金がかかる。
なので、あずける時間を制限し、できるだけシッター代を安く済ませるための工夫をする必要がある。

そのうちのひとつが、職場の近くであずかってくれるシッターさんを探すことである。
ただ、その方法を取ると、早めに出社して30分程度は子どもをなんとかあやしながら仕事することになったり、シッティングの終了後も仕事が残っていて子ども同伴のまま、なんとか片付けたり……なんていうこともあるかもしれない。
そしてこれも「同伴就労」と見なされるもののうちのひとつである。

この「同伴就労」を少しでもしているだけで「減点」になるというのには、100歩譲っても納得がいかない。

これも《5》と同じような話になるが、ベビーシッターにあずけている時点ですでに「やらねばならない仕事がある(復職の必要がある)」わけで、「そのために高いお金を投じている(犠牲を覚悟で子どもの環境をすでに用意している)」わけで……。

でも「それをしたことでさらに認可保育園への道のりが遠のく」のが理解できないのである。

……などなど、いろいろなことをトータルで考えると、ほんと、育児中の親御さんたちは自営業なんてやめたほうがいい。

……いや、違う。

区市町村は自営業に厳しく当たることをそろそろやめてみてはどうかね?」だ。

ほんと、保活業界は、とにかくびっくりするほど自営業には厳しい。
あまりに厳しすぎるので、自営業とそうでない立ち位置を行き来するようなワザを持っているような人は、特にタイミングに注意せねばならない……。

本当にくだらないことに気を使わなくては生きていけない世界である。

※ 上記はあくまで本人や知人など、個人の体験談をもとに記述しています。審査基準は区市町村によりさまざまなので、当てはまらない場合もあります。

「自立できる人よりも自立できない人を助けるのが福祉なのだから」の真意は?

さて、話をマンガの中に戻してみる。

ユッキーが慕う会社の先輩「マキ部長」が「自立できる人よりも自立できない人を助けるのが福祉なのだから」というセリフを発しているが、この意味は、一読しただけではいまいちピンとこないかもしれない。

これは、今回の記事(文章のほう)の最初に「そもそも保育園は福祉施設の一環である」という旨を述べたが、それに関係する。

保育園は「福祉」施設の一環である。

 ↓

ならば、「福祉」とは何か?

 ↓

「福祉」とは……

生活困窮者、身寄りのない老人・児童、身体障害者など、社会的弱者に対する公私の保護および援助。生活保護法・児童福祉法・母子及び寡婦福祉法・老人福祉法・身体障害者福祉法・知的障害者福祉法などによって国や地方公共団体が行うものや社会福祉法によって社会福祉法人が行うものなどがある。」(小学館「デジタル大辞泉」より)

……と定義されている。

また、さまざまな法律や政策が根拠とする「日本国憲法」の中に「生存権」というものがある。

「生存権」とは……

人間が人間らしく生きる権利。人間が生きることそれ自体は生命権の問題であるが,生存権は,一定の社会関係のなかで,健康で文化的な生活を営むことを内容とする権利である。より具体的には,人間には勤労,教育の機会が与えられ,各種の社会保障を通じて,健全な環境のもとで,心身ともに健康に生きる権利が与えられるのであり,その反面,国家には,そのような生活を国民に保障する義務が発生する。日本国憲法は,第 25条を中心にしてこの権利を保障している。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

……と定義されている。

 ↓

つまり、特に法律や政策上では、「福祉」は社会保障の一分野であり、その根拠は日本国憲法の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(生存権)」にあるとされている。

 ↓

これは言い換えると、広義でいう「福祉」(幸福)の意味合いよりだいぶ狭まった「法律や政策上での福祉」は、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるようにする保障であるとも解せる。

……わたしは、この「健康で文化的な最低限度の生活」という文言に、初めて日本国憲法について学んだときからずっと違和感を覚えていたのだが、今さらながら、問うてみたい。最低限度って何だろう?

……最高・最低などの表現は、いわゆる「絶対表現」ではなく「相対表現」である。
あくまで比較対象があっての「高」「低」だ。

……上には上がいて、下には下がいるならば、「いい! 最高!」と思っていても実際は違うこともあるし、「もう! 最低!」と思っていても実際には違うかもしれないってことで。

……つまり、「最低限の生活」というのは時代によって変わっていくし、国のパワーに限界がある以上、その対象とできる範囲も変わっていく。

そして、「法律や政策上の福祉」は、その時々における「とにかく人より低い生活をしている人を探して助けていく」ことをミッションのひとつにしていると言える。

マンガでは、不純な動機から会社を辞めて独立した上で子育てと仕事を両立しようとしたユッキーに対して、マキ部長が「甘いにもほどがある」と言っているが、その背景には、本来の「法律や政策上の福祉」の定義があったのだ。

先述の「自営業は保活に不利」という現状の背景にも同様の定義があり、「(主として母親が)自営できる(自立できる)くらいならとうぜん最低限度の生活は営めているであろう」という、「一見正しいようでぜんぜん正しくない解釈」が、政策を定める一部の人々の間で蔓延している結果なのかもしれない。

***

今回は、男女問わず、近い将来に保活をする予定がある人、また、法律や政策に深く関わる人には、ぜひ、頭のどこかに入れておいてほしい! と思うようなことを述べた。

まとめると……

・保育園は「福祉」の一環にある。
・認可保育園は人気が高くて入りづらい傾向にある。
・認可保育園の審査の際の「うちの子優秀アピール」や「親が頑張ってるアピール」は何の足しにもならないよ。
・近いうちに独立しようと思っているなら保活が終わったあとにして、今はまだ雇用されていよう。
・法律や政策に携わっている人は「保活の現状」にある数々の納得いかない点を早く変えてほしい。
・小難しいことは抜きにして、マキ部長の言っていることはとりあえず正しい。

でした。

次回は、ユッキーの保活の結果が出るよ。

【確定申告前に必読】住宅ローンは自営業やフリーランスでも審査に通る

文:松本えつを

参考文献

厚生労働省 プレスリリース
【切実】そこまでしないとダメ?保育園に入園する為の裏ワザあれこれ
認可保育所と認証保育所の違い [福ナビ]
自営業になるには何をすればいいの?知っておきたいメリット・デメリット – Airレジマガジン

▼松本えつをの子育てあるある▼

◆ 文・ストーリー構成:松本えつを(役名:きのこ)

絵本作家・エッセイスト・コピーライター。2007年、8年間役員をつとめた出版社から独立。2008年、出産後の出血多量で死にかけるも一命をとりとめたことをきっかけに、女性が働きづらい社会を少しでも変えたいと一念発起。以降、ニッポンの女性アーティスト・クリエイターの自立支援を目的とした教育&プラットフォーム事業を立ち上げ、多くの女性たちの声を聞く。2014年、クリエイターを対象としたマンガコンテンツ “ クリエイターあるある in 日影工房 ” を企画・制作。これまでの著書の大部分は大人の女性を対象としたものとなる。代表作に『バンザイ』(サンクチュアリ出版)、『ユメカナバイブル』(ミライカナイ)等。

クリエイターあるある in 日影工房
ウーマンクリエイターズカレッジ「絵本の学校」

◆ 絵:ささはらけいこ(役名:もじゃ)

1984年北海道生まれ。金沢美術工芸大学油画専攻卒。東京クリエイターアカデミー(現ウーマンクリエイターズカレッジ)を経て、2010年よりイラストレーター・絵本作家として活動を始める。2014年から “ クリエイターあるある in 日影工房 ” の作画を担当し、「もじゃ」役として出演。2015年におまんじゅうのような子どもを出産し、テンヤワンヤで子育て真っ最中。
ささはらけいこポートフォリオサイト「星ふるモジャモジャの丘」

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