すみかる住生活版

メニューを開く メニューを閉じる

【マンガ】「意外なあの人に尊敬の念を抱く」ほか、妊娠後期の“お腹が大きいとき”あるある【松本えつをの子育てあるあるvol.31】

「足元に手が届きづらい」は妊産婦経験者のほぼ全員が体感している

先述のように、妊娠後期になり、お腹が大きくなると、妊婦はたくさんの発見をする。

中でも、自分の足が見えなくなったり、そこに手が届かなくなったり……などの、足にまつわる困りごとがいくつもあることに気づかされる妊婦は本当に多い。

そのため、妊娠後期に差し掛かった妊婦は、「足までの距離」を埋めるためにさまざまなトライをするものである。

たとえば、こんな妊産婦経験者の声が実際に聞かれる。

◆「靴下を履くのが苦しいから、靴下を履くことをあきらめた」
→ 夏場でも妊婦に冷えは大敵なので、どうにかして履いたほうがいい。

◆「足の爪を切ることと、靴下を履くことは、旦那に手伝ってもらった」
→ パートナーとのコミュニケーションも深まり、一石二鳥だね!

◆「試行錯誤した結果、カエルの足の格好を真似たら靴下を履けるようになったが、人前ではできない」
→ 妊婦のほぼ全員が、見えないところでやっていることだと思うので、よくわからないけどダイジョウブ!

◆「外に出るときはムートンブーツ、部屋ではモコモコのルームシューズを愛用し、手を使わずに足を暖かくすることに成功した」
→ たしかに、自立する履き物があれば、そこにある穴に足を入れるだけじゃないか! 賢い。

◆「妊娠後期の期間に1回だけネイルサロンでペティキュアをしてもらったら、足の爪は伸びが遅いってこともあり、産後まで爪を切らなくても問題なかった」
→ ネイルサロンにそんな使い途があったとは!

◆「靴下を履くのが苦痛だったので、昔、健康のために買ったもののすっかり使っていなかったフットバスを引っ張り出してきて、家ではずっと足湯をしていた」
→ フットバス、日の目を見れて、よかったね!

数々の声を聞くと、どうやら、足に関する困りごとは工夫次第で明るく乗り越えられる類のようだとわかる。
(そのうちいくつかは父親には無効なので、ここでまたリスペクト指数がUPしちゃうのだが)

そして、次に多かったのが睡眠に関すること。これはさらなる難題なのではなかろうか。

「睡眠が必要なのに寝づらい」という矛盾と闘うべし

妊娠後期になると、胎動も激しくなり、母体の体力消耗も大きくなるため、普段より多くの睡眠を必要とする。

……にも関わらず、「前にせり出したお腹が邪魔して思うような体勢で横になれない」、「息苦しくてなかなか寝付けない」、「お腹の中から赤ちゃんが蹴りを入れるため、すぐに目が覚めてしまう」などの要因で、十分な睡眠が取れないことも。

そんなときにオススメされるのが、マンガにも出てくる「シムスの姿勢(体位)」。
これは、心臓のある左側を下にして横になるのがポイント。慣れてくると気持ちいいよ!

きのこは、抱き枕やふかふかのお布団を挟んでお腹を支えることで、赤ちゃんの内側からの蹴りによる振動も和らぐのではないだろうか……と考え、ひたすら掛け布団を抱きしめていた。
医学的根拠はないが、気持ち的に安心感があるから、ぜひ試してみて!

***

お腹が急激に大きくなることで、それまでの体型では身をもって知ることができなかった苦労を感じられるようになる。
そう考えると、妊娠後期のお腹の苦労もさして苦じゃないかも。

だけど、それよりも、何よりも……
妊産婦経験者はみな、本当にみんな、こう言うんだよね。

「ダイジョウブ! 出てきてからはもっと大変だから! 今を存分に楽しもう」……って。

いや、これ、納得だよなぁ……と、しみじみ思い入る。

今、「こらこら、どんだけ蹴るんかい!」ってツッコミを入れているその相手は、数ヶ月後にはツッコんでる場合じゃないくらいの非常事態を提供してくるんだから。

限りある妊娠生活のラストスパート、酸いも甘いもしっかりと味わっていけたらいいね。

文:松本えつを

▼松本えつをの子育てあるある▼

◆ 文・ストーリー構成:松本えつを(役名:きのこ)

絵本作家・エッセイスト・コピーライター。2007年、8年間役員をつとめた出版社から独立。2008年、出産後の出血多量で死にかけるも一命をとりとめたことをきっかけに、女性が働きづらい社会を少しでも変えたいと一念発起。以降、ニッポンの女性アーティスト・クリエイターの自立支援を目的とした教育&プラットフォーム事業を立ち上げ、多くの女性たちの声を聞く。2014年、クリエイターを対象としたマンガコンテンツ “ クリエイターあるある in 日影工房 ” を企画・制作。これまでの著書の大部分は大人の女性を対象としたものとなる。代表作に『バンザイ』(サンクチュアリ出版)、『ユメカナバイブル』(ミライカナイ)等。

クリエイターあるある in 日影工房
ウーマンクリエイターズカレッジ「絵本の学校」

◆ 絵:ささはらけいこ(役名:もじゃ)

1984年北海道生まれ。金沢美術工芸大学油画専攻卒。東京クリエイターアカデミー(現ウーマンクリエイターズカレッジ)を経て、2010年よりイラストレーター・絵本作家として活動を始める。2014年から “ クリエイターあるある in 日影工房 ” の作画を担当し、「もじゃ」役として出演。2015年におまんじゅうのような子どもを出産し、テンヤワンヤで子育て真っ最中。
ささはらけいこポートフォリオサイト「星ふるモジャモジャの丘」

関連記事

CLOSE