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【マンガ】手づくり婚(DIY婚)で自分らしく。予算を抑えても貧相な結婚式にならないためのポイント【松本えつをの子育てあるあるvol.26】

予算を抑えても貧相な結婚式にならないためのポイント6つ

手づくり婚の最大のメリットはやっぱり「温もり」だけれど、もうひとつのメリットとして「やり方によっては大幅なコスト削減も可能」という点があげられるだろう。

とくに、今回のマンガのように、あらかじめ予算の上限が決まっている場合、そのメリットを活かさない手はない。

しかし、予算を抑えることで貧相になり、「温もり」どころの話じゃなくなってしまっては本末転倒! そうならないために、「どこにいくら使うか」という配分をしっかり考えよう。

そこで、前々項で触れた「因数分解」を思い出しながら、結婚式を構成する要素の中に隠れている「温もりアップ」かつ「コスト削減」を可能にするチャンスを探し出そう。

たとえば……

結婚式に限らず、イベントごとを開催するにあたり、「場所」は不可欠。そして、スペースを借りるための費用は往々にして高くつくものである。そこで、できるだけ費用を抑えるべく、公共のスペースをレンタルするという方法が一度は選択肢にあがるだろう。とはいえ「市民会館」「町内会館」的な箱は結婚式に不釣り合いな雰囲気を醸している傾向がある。う〜ん、困った! さぁ、どうしよう。

……といったところで、注目したいのが、最近のタワーマンションの多くが備えている「パーティールーム」。新郎新婦・家族・親戚・親友が住んでいるマンション……。それらのどれかに「パーティールームが完備されているマンション」はないだろうか。たいていの場合、居住者が事前に申し込み、居住者のお祝いごとなどの私的な目的(利益目的ではない)のために、一般の貸しスペースでは考えられないような破格で利用することができる。

しかも、ググってみたら一目瞭然だと思うが、それらの内装センスの良さは抜群。超高級レストランも顔負けなほど豪華絢爛だったり、ファミリーが利用することを想定した、キッズエリア付きのあったかい雰囲気だったり……と、いい意味で価格に見合わない空間を提供してくれる。

注意点として、「タワーマンションに住んでいるから」という理由だけで疎遠な友人を結婚式プロジェクトに巻き込むことだけはやめよう、ということがあげられる(当たり前だね!)。そんなのそもそも友人に失礼だし、心からお祝いしてくれる人でない場合、結婚式の雰囲気にも影響が出てしまう恐れがある。ダメ、絶対!

マンガの中では、神父も司会者も友人にお願いしているね。

じつはきのこも最近知ったのだけど、神父って、普段から教会いろいろな役割を担っているキリスト教の偉い人ってイメージがあるじゃない? でもね、どうやら近年では派遣やアルバイトの神父や牧師が増えてきているらしいのよ。ちょっとビックリじゃない? 一説によると、いわゆる「結婚式場」としてつくられた場所に来る神父や牧師は、ほとんどが派遣やアルバイトなんだとか!(注:すべてではない)

立派な結婚式場で挙式する場合でも、その日にしか会うことのないようなアルバイトの神父さんが「誓イマスカ?」って言ってることがあるんだから、手づくり婚では今後も末長く付き合っていくであろう友人にその役をやってもらったほうが、ずっとまともな気がするし、より一層、誓いのとおりに生きていける気がするのはわたしだけだろうか……?

食事

一般的な結婚式場では、(料理・飲み物の単価)×(招待する人数)+(その他もろもろ)で披露宴のトータルの費用が算出されるので、ゲストの人数が大規模なほど、どのクラスの料理を出すかで大幅に総費用が変わってくる。

でも、考えてみたらゲストの方々それぞれ、好みはまちまちなはず! イタリアンが好きな人もいれば、中華が好きな人もいる。たくさん食べる人もいれば、少量で満足する人もいる。……ってなると、「ひとつのメニューに人数をかける方法で用意するよりも、ビュッフェ形式にしてトータルの量を予想したほうがいい」と考えることもできる。

近年ではデリバリー対応してくれるお店も格段に増えたし、ゲストの中に料理人がいたら、その人の料理を贔屓してオーダーするのもいいよね!

衣装

かつては結婚式場や、提携のドレス屋さんでドレスを選ぶのが主流だったけれど、近年では海外挙式が増えていることもあり、式場とは関係なく、あらかじめ試着して気に入ったものを一定期間借りることができるドレスのレンタルサービスが増えているらしいよ! 直接お問い合わせして借りることで、紹介料などの中間マージンも節約できるし、仮に会場がパーティールームであれば持ち込み料もかからないので、いいことづくめだね! 

ここだけの話、きのこは20代の頃、出版社の忘年会の余興としてステージで聖子ちゃんのモノマネをするために、挙式を間近に控えた花嫁のフリをしてウエディングドレスを3日間レンタルしました……。しかも、言えないほどの安価で。でも、なぜ正直に「余興のため」って言わなかったんだろう。どんなプライドだよ。

装飾

会場のテーブルウェアを手づくりで用意するなら、手芸用品が豊富に取り揃えられている「ユザワヤ」「オカダヤ」などの専門店に、一度は足を運んでみよう。既製品よりコストを抑えられるだけでなく、実際に多種多様な生地を手にしてみることで、写真だけではわからなかった「触感」が伝わり、具体的なイメージが湧きやすくなるよ。

また、大判の布は広範囲にわたって会場を彩る役割を果たすので、何を選ぶかによって結婚式全体の印象をがらりと変えることができるアイテム。あらかじめ決めたテーマに沿って慎重に選ぼう。

ペーパーアイテム

招待状や席次表、席札などの紙小物を手づくりしてコストを抑えるなら、先ほど触れた「ユザワヤ」「オカダヤ」などの手芸専門店もいいけれど、密かに「世界堂」(特に本店)がオススメ。アートに馴染みが深い人なら一度は訪れたことがあるかもしれないけれど、ありとあらゆる用途の紙が1枚から購入できるし、特殊なインクを使用したペンなども豊富に取り揃えられていて、やたら重宝する。

また、近年ではインターネットで発注できる格安の印刷屋さんが増えているので、もちろん結婚式のペーパーアイテムの印刷にも活用できるけれど、ゲストの数が小規模の結婚式なら、ちょっと凝った用紙に家庭用のプリンタで1枚ずつ印刷するという方法で十分いけるはず。さらに、手書き文字に自信がある場合、席札などは思い切って手書きでいっちゃってはどうかな? 想いが伝わるはずだよ。

***

それにしても、ユッキーったら、一時は、働きすぎだったり、切迫流産になったり……と、大変なことが立て続き、かわいそうなキャラとしてそのままずっといくのかと思っていたけれど、ここにきて、しあわせな展開が目白押しだわ!

でも、人生は山あり谷あり。脅すわけじゃないけれど、この先もずっと今のままとは限らないわよ。……な〜んてね!(イヒヒ)

文:松本えつを

▼松本えつをの子育てあるある▼

◆ 文・ストーリー構成:松本えつを(役名:きのこ)

絵本作家・エッセイスト・コピーライター。2007年、8年間役員をつとめた出版社から独立。2008年、出産後の出血多量で死にかけるも一命をとりとめたことをきっかけに、女性が働きづらい社会を少しでも変えたいと一念発起。以降、ニッポンの女性アーティスト・クリエイターの自立支援を目的とした教育&プラットフォーム事業を立ち上げ、多くの女性たちの声を聞く。2014年、クリエイターを対象としたマンガコンテンツ “ クリエイターあるある in 日影工房 ” を企画・制作。これまでの著書の大部分は大人の女性を対象としたものとなる。代表作に『バンザイ』(サンクチュアリ出版)、『ユメカナバイブル』(ミライカナイ)等。

クリエイターあるある in 日影工房
ウーマンクリエイターズカレッジ「絵本の学校」

◆ 絵:ささはらけいこ(役名:もじゃ)

1984年北海道生まれ。金沢美術工芸大学油画専攻卒。東京クリエイターアカデミー(現ウーマンクリエイターズカレッジ)を経て、2010年よりイラストレーター・絵本作家として活動を始める。2014年から “ クリエイターあるある in 日影工房 ” の作画を担当し、「もじゃ」役として出演。2015年におまんじゅうのような子どもを出産し、テンヤワンヤで子育て真っ最中。
ささはらけいこポートフォリオサイト「星ふるモジャモジャの丘」

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