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【マンガ】生まれてくる子のためにも引っ越したい! 妊娠中でも可能? 注意すべきポイントは?【松本えつをの子育てあるあるvol.24】

家族が増えることを機に引っ越しをするなら出産前? 出産後?

さて、出産によって家族が増えると、生活スタイルもガラリと変わるし、今までの住まいがやや不便になることもあるよね。

部屋の模様替えで解決することもあれば、改築、賃貸の場合は引っ越しなどがベストな選択になることも……。

とはいえ、お腹がマックスで大きくなる妊娠後期はとても動きづらいし、出産してからすぐの産褥期は安静必須なので、引っ越しはおろか、大掛かりな模様替えをすることさえ困難。

ということで! 重労働や心的ストレスがかかるイベントごとは、妊娠中期(安定期)のうちにやってしまうべきなのである、というのが、きのこの結論である。

ユッキーの夫はそれを見越して、引っ越し提案に踏み切ったんだね。
ただ、出産前に引っ越しをすることのデメリットもあるので注意が必要。

妊娠中期の引っ越しで注意するべき3つのポイント

いくら安定期だからといっても、妊娠中であることには変わりない。
妊娠中ということは身体が平常運転ではないということであり、産院(産婦人科)にかかっている身であるということ。

また、出産後にだって予想を上回るさまざまな展開が待っているのだ。
普通の引っ越しと同じだと思ってかかると後々しんどくなるから注意。

そこで、妊娠中期の賃貸住宅の引っ越しで注意すべきポイントをまとめてみた。

《注意ポイント1》
引っ越し先のエリアの条件に「通勤に便利」「近くに産婦人科・小児科・託児施設がある」「急な坂や階段が少ない」の3点を入れること。

この3項目を入れることは非常に重要である。

たとえば、

□ お腹が大きくなってから、どんな不便があるか。
□ 産婦人科に通う頻度がどのくらいになるか。
□ ひとりでいるときに陣痛が来ても、産婦人科にすぐに行けるか。
□ 赤ちゃんが体調を崩したとき、すぐにかかれる病院が近くにあるか。
□ ベビーカーを押して近所を移動するときに、不便はないか。
□ 職場復帰してから託児所より急に呼び出されても対応できるか。

……などなど。

これらのシチュエーションは、引っ越し先の「場所(立地)」の選定に深く関わってくるため、じっくり想像する必要がある。

しかし、ユッキーのように初産の場合、出産後の生活はイメージしづらいかもしれない。

ただ、想像しづらい部分があっても、掲げたように「通勤に便利」「近くに産婦人科・小児科・託児施設がある」「急な坂や階段が少ない」の3点が満たされていれば、ひとまず安心だ。

なお、産婦人科については、急な転院は推奨されていないので、現在通っているところに引き続き通えるエリア内に引っ越すのがベスト。

それが難しい場合は、現在通っているところにはできるだけ早く相談・連絡し、引っ越し先の産婦人科の受け入れ体制があるかについてもチェックしておこう。

《注意ポイント2》
引っ越し先の物件の条件に「バリアフリー」「日当たり良好」を入れること。

妊娠後期になると、お腹が想像以上に前に突き出し、足元が見えづらくなる。ちょっとした段差につまずいて転倒してしまうことも。

また、赤ちゃんが生まれたあとの外出にベビーカーは付きもの。2階以上に住むなら、エレベーターは必須といえる。

エレベーターがないと、家族で外出するときはいいけれど、母親がひとりで赤ちゃんを連れて外出するときは、赤ちゃん・ベビーカー・手荷物の3点をすべて同時にひとりで持ち上げて階段の昇降をしなくてはならないが、これはなかなかしんどい。

赤ちゃんの重さが仮に6kg、ベビーカーが5kg、手荷物が3kgだとしても、女性がひとりで14kgを持つことになるのだから。

ほかの条件が揃っているから……と、エレベーターなしの物件を選んでしまうと、激しく後悔することになるだろう。

……ということで、バリアフリーは条件に入れよう。

また、独身時代や共働き夫婦ふたりの頃は「日中はだいたい外にいるし」と思ってそんなに重要視していなかった「日当たり」も、いざ赤ちゃんが生まれると重要になってくる。

特に、生後1〜2ヶ月は、まだほとんど外出できないため、部屋の日当たりが悪いと、実質、太陽と隔離された生活になってしまう。

某産婦人科の看護師さん曰く、「最近は、くる病予備軍になっちゃう赤ちゃんがけっこういるのよ」だってさ(泣)。

赤ちゃんには、自宅にいながらも適度に陽の光を浴びさせてあげたいものである。

※くる病:小児の発育期(特に骨の発育期)にカルシウムが骨に沈着せず、しっかりとした骨の組織が形成されない状態をいいます。

《注意ポイント3》
赤ちゃんが生まれたときに必要になるベビーグッズは、なるべく引っ越し後に買うこと。

妊娠してから嬉しくて、ことあるごとに、ちょこちょことベビーグッズを買い揃えている妊婦さんもめずらしくない。これを、そうだな、「週刊赤ちゃんコレクション」と呼ぼう。

自分の経験からも、週刊赤ちゃんコレクションしちゃう気持ちはすごくよくわかるのだが、こと引っ越しが念頭にある場合は、もうちょっとの期間、コレクションを我慢しよう。

ちょっとした衣類やおもちゃならまだしも、ベビーベッドやベビーサークル、大掛かりな遊具などを買ってしまうと、いつの間にやら荷物の量も一丁前に! 当然ながら、引っ越し費用も1人分増えることになる。

大丈夫。週刊赤ちゃんコレクションは引っ越し完了してから始めても、じゅうぶん間に合うから!

***

いろいろなことに気を配らなければならない妊娠中の引っ越し。
でも、赤ちゃんがやってきてからの日々を想像しながら実践していくのはしあわせなことだよね!

あっ、あぶない、注意ポイントに入れそびれていたものがあった。これは大事。

《注意ポイント4》
夫(パートナー)が協力的であるかを確認してから引っ越しを決行すること。

バリアフリーより、日当たりより、よっぽど重要なのはこれだったかも!

文:松本えつを

▼松本えつをの子育てあるある▼

◆ 文・ストーリー構成:松本えつを(役名:きのこ)

絵本作家・エッセイスト・コピーライター。2007年、8年間役員をつとめた出版社から独立。2008年、出産後の出血多量で死にかけるも一命をとりとめたことをきっかけに、女性が働きづらい社会を少しでも変えたいと一念発起。以降、ニッポンの女性アーティスト・クリエイターの自立支援を目的とした教育&プラットフォーム事業を立ち上げ、多くの女性たちの声を聞く。2014年、クリエイターを対象としたマンガコンテンツ “ クリエイターあるある in 日影工房 ” を企画・制作。これまでの著書の大部分は大人の女性を対象としたものとなる。代表作に『バンザイ』(サンクチュアリ出版)、『ユメカナバイブル』(ミライカナイ)等。

クリエイターあるある in 日影工房
ウーマンクリエイターズカレッジ「絵本の学校」

◆ 絵:ささはらけいこ(役名:もじゃ)

1984年北海道生まれ。金沢美術工芸大学油画専攻卒。東京クリエイターアカデミー(現ウーマンクリエイターズカレッジ)を経て、2010年よりイラストレーター・絵本作家として活動を始める。2014年から “ クリエイターあるある in 日影工房 ” の作画を担当し、「もじゃ」役として出演。2015年におまんじゅうのような子どもを出産し、テンヤワンヤで子育て真っ最中。
ささはらけいこポートフォリオサイト「星ふるモジャモジャの丘」

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