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【マンガ】妻が妊娠中の不倫は、なぜゲスなのか? ゲス不倫について考える①【松本えつをの子育てあるあるvol.18】

この連載は、かつて、クリエイターならではの切なさや怒りの感情をマンガで表現し、多くの共感を呼んだ “ クリエイターあるある in 日影工房 ” のスピンオフ企画。日影工房の主要メンバーであり、「仕事の機会を奪われがちな女性をサポートしたい!」という想いから生まれたウーマンクリエイターズカレッジの創設者でもある松本えつを(役名:きのこ)さんが自身の出産体験を元に、ニッポン人女性の視点から妊娠・出産・育児にまつわる「あるある」をお届けします。(いえーる すみかる編集部)

> 松本えつをの子育てあるある 他の記事はこちら

こんにちは。ベッキーとゲス極の川谷絵音の不倫報道が出たのも、もうすでにだいぶ昔のことのように感じます、きのこです。

今回は、切迫流産を乗り越えて無事退院した妊婦「ユッキー」が、目には見えぬ敵「ゲス不倫」と闘うお話の前編をお届けするよ。

目には見えぬ敵「ゲス不倫」と闘うお話:前編

忘れもしない、2016年1月。
「ベッキーとゲス極の不倫報道」は、週刊文春の記事を皮切りに、それからしばらくの間、日本国民に極めて大きな衝撃を与え続けた。

しかし、考えてみれば、その不倫によって誰かの命が奪われたり、国民の日常生活が激しく変わったりしたわけでもないので、殺人事件や政治経済問題などに比べたら「正直どうでもいいレベルのこと」といえるんじゃないか……とも思う。

それなのに、なぜ、その「どうでもいいレベルともいえる出来事」=「ゲス不倫」に、我々は影響を受け続けているのだろうか。

そもそも「ゲス不倫」とは何ぞや?

以来、マスコミに頻繁に登場するようになった「ゲス不倫」というワード。
瞬く間に一般人に認知され、ついには、2016年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされるほどとなった。
認知拡大に伴って、一般人の日常会話に登場する機会も増えたはずである。

しかしながら、そもそも「ゲス不倫」という単語の意味……、もっというと「不倫とゲス不倫の違い」を正確に説明できる人は少ないのでは?

だって、不倫ってそもそもゲスな行動なわけで、そのゲスな行動に対してさらにゲスと修飾するわけだから……、うーん、つまり、だから……ぇええっ?!

けっきょく、かくいうきのこも、このテーマに触れるにあたり、もっとも適切な定義は何かと考えたものの、端的、かつ的確といえるような答えにはたどり着けなかった。

なので、あくまで「子育てあるある」という大前提に立って……という前置き付きでムリやり定義すると……

「不倫というのは不倫である時点でゲスなのだが、“妻が妊娠中や闘病中にもかかわらず”とか、“既婚者であることを隠しながら”とかいうような、ただの不倫に輪をかけて“人間性を疑われてしまうような要素”を当事者の双方あるいは一方がはらんでいる不倫のことを、特別にゲス不倫と呼ぶ」

……という、わかりやすいような、いやむしろわかりづらいような結論に達してしまった。

このままだと、そのあたりはモヤモヤしたまま埒が明かなそうなので、上記定義に当てはまりそうな事例を、きのこ的インパクト順にいくつかピックアップしてみよう。

《 2016年1月以降に発覚した「ゲス不倫と思われるもの」のいくつか 》
※ 報道のあった通りの記載。真実がどうなのかは……もちろん知らない。

宮崎謙介(通称、育休議員)
ゲスポイント:議員という立場で女性の働き方や子育て環境の改善に意欲を燃やすと見せ、支持を集めていたにもかかわらず、同業者である妻のお産入院中という最悪のタイミングで自宅に女性を泊めるなどして不倫に及んだこと。

渡辺謙(俳優)
ゲスポイント:妻の南果歩(女優)が乳がん闘病中にもかかわらず、30代の一般女性(元ホステス)と約3年に渡り不倫していた点。

小倉優子(タレント)の夫
ゲスポイント:ゆうこりんが第二子を妊娠中に、ゆうこりんの所属事務所の後輩にあたる馬越幸子(タレント)と不倫に及んだ点。のちに離婚。

安田美沙子(タレント)の夫
ゲスポイント:妻が妊娠中にもかかわらず、自身の既婚の事実やフルネームを隠して一般女性と交際していた点。現時点で離婚せず。

仲間由紀恵(タレント)の夫
ゲスポイント:妻が妊活中にもかかわらず、妻が撮影のために家を不在にしている期間に別の女性宅を訪れるなどして不倫。

アレクサンダー(俳優)
ゲスポイント:妻である川崎希(元AKB48・実業家)の不妊治療中に、妻に買ってもらった車の中で一般女性と不倫。しばらくのちに妻が妊娠中期であることを公表。

ファンキー加藤(ミュージシャン)
ゲスポイント:友人であるアンタッチャブルの柴田の妻とダブル不倫の末、妊娠までさせていた点。友人の妻を妊娠させるって……( ;´Д`)

乙武洋匡(文化人・タレント・教育者)
ゲスポイント:著名になったきっかけはベストセラー『五体不満足』。生まれつきの障がいというハンディキャップを乗り越えてポジティブに生きるさまが人々に勇気を与え、参院選出馬を噂されていた矢先に、過去5人の女性と不倫関係があったことが判明。出馬を取り消し、離婚へ。

ベッキー(タレント)と川谷絵音(ミュージシャン)
ゲスポイント:「清純なイメージで売っていたのに!」という、ベッキーの国民に対する裏切りと、川谷が妻帯者であることを隠して始まったという点と、1発目の報道直後の対応のまずさなど。

……強調するが、上記は時系列ではなく、きのこ的インパクト順に記載している。
皮切りともいわれるベッキー事案が最下位なのは意外だった。

我ながら、その順序から、女性の立場としては「妻が妊娠中・不妊治療中・乳がん闘病中であるにもかかわらず」というものに比較的大きなショックを受けるんだろうなぁ……ということが見えてきた。

ショックの背景には「妻がすでに何かと闘っているのに、その大変さをスルーして夫が不倫に走るなんて人道的にあり得ない!」という怒りの感情があるように思う。

誤解を恐れずに書くと、きのこは「妊娠は病気じゃない」とよくいわれる世の中でもやっぱり「妊婦は病人とさほど変わらないよ!」と考えている派だ。

いや、こう書いてしまうと「本当の病人に失礼!」とか「望んで妊娠したんでしょ!」とかいろいろ言われかねないので補足すると、「妊娠だけなら確かに病気とはいえないのだけど、妊婦本人ではなくて世間のほうが “妊婦は病人だ” と思って接するくらいがちょうどいい。そのくらい妊娠・出産はリスキーなんだよ!」と言いたいだけなのだ。

なぜなら、妊娠中は病気と同じくらいつらい、いわゆるマイナートラブルを抱えるリスクが高いわけで、妊婦は皆、出産まで無事にたどり着けるかわからない不安の中で闘っている戦士……。
それを、ことあるごとに「妊娠は病気じゃないから」と一蹴される風習に、かれこれ10年ほど、心底、納得できないでいるからである。

もうね、お願いだから、政府も医療機関もマスコミも、「妊娠は病気じゃない」ってあんまり連呼しないでほしい。

最先端医療を用いて出産を扱っているとされる日本だって、いまだに年間40人前後の妊産婦が実際に亡くなっているんだよ。

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