すみかる住生活版

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【マンガ】妊娠安定期っていつからいつまで? 上司の言葉に学ぶ、働く女子の安定期の捉え方【松本えつをの子育てあるあるvol.12】

妊娠報告のベストタイミングは相手によって異なる

じゃあ、「妊娠報告」は妊娠がわかったらすぐさま実施すべきなのか? というと、それは一概には言えない。
相手によって報告のベストタイミングが異なるからだ。

ただ、妊娠初期の大変な時期に報告タイミングを細かく見計らうのもしんどいと思うので、多くの先輩妊婦たちの声から、なんとなくベストなタイミングはいつなのかという目安を割り出してみた。

※ ただし、これもあくまで一般的指標であり、個人差があるため、自身の環境や体調を加味して判断しよう。

パートナー(配偶者):妊娠超初期。
妊娠検査薬の結果がわかり次第すぐ。

上の子(いる場合):妊娠超初期。
幼い子は母親のお腹にダイブしてくることもあるため、妊娠がわかり次第すぐ。

実の親:妊娠超初期〜妊娠初期。
産婦人科で胎嚢が確認でき、予定日がわかったら。

義理の親:妊娠超初期〜妊娠初期。
実の親に伝えてからできるだけ早く。

職場の直属の上司:妊娠超初期〜妊娠初期。
産婦人科で胎嚢が確認でき、予定日がわかったら。

職場の同僚:妊娠初期。
上司と相談し、必要なタイミングで。

社外の仕事関係者:妊娠初期〜後期。
上司と相談し、必要なタイミングで。

親友:妊娠初期。
妊娠初期の好きなタイミングで。

兄弟・姉妹(遠方に住んでいる場合):妊娠初期〜後期。
実の親に伝えてから好きなタイミングで。

ときどき会う友人:妊娠初期〜後期。
次に会うタイミングで。

たまにしか会わない友人:妊娠初期〜後期。
次にたまに会うタイミングで。

SNSフレンド:妊娠中期〜後期。
言いたければ安定期以降の好きなタイミングで。言わなくてもいい。

赤の他人:不要。
言わなくていい。

自身のストーカー:禁止。
言ってはいけない。

「責任感」って何?

さて、マンガに登場したユッキーは、もともと超ストイックな仕事オタク。
愛社精神に溢れ、周囲への気遣いも欠かすことがない、とても立派な会社員である。
当然ながら仕事に対する責任感も強い……はずなのだが、直属の上司であるマキ部長に指摘されたのは、まさにこの「責任感」に関わる部分。

先述の通りに、「妊娠安定期」と「妊娠報告」の意味をしっかり理解していたならば、「仕事に対する責任感をまっとうするためにも、早い段階では妊娠していることを伏せる」という判断はしないはずなのである。

マキ部長の言う通り、「何があるかわからないから言わないんじゃなくて、何があるかわからないからこそ、問題を未然に防ぐために言う」べきなのだ。
組織で仕事をする場合、それこそが果たすべき責任ではないだろうか。

「気を遣わせてしまうから」、「心配をかけてしまうから」などの理由で言えない……というのは、残念ながら、キレイごと。
長期視点で考えれば、それがいかに非効率で危険なことがわかるはず。
それでもやっぱり組織のために「言いたくない」と思うならば、その責任感が見せかけのものであるか、その人自身が妊娠をナメているかのどっちかだ……と思われても仕方ない。

それに、ブラック企業における過労の問題や、女性に対するパワハラ・モラハラ問題がたびたび話題にのぼったりする世の中だけれど、あくまでそういった問題が悪目立ちしやすいだけであり、実際にはホワイト企業や部下想いの上司だって、いっぱい存在する。

特に、マキ部長のような上司にとっては、妊娠の事実を報告してもらえなかったことのショックは大きいはず……。

もし、あなたが知らず知らずのうちに「妊娠したら、安定期に入ってから会社に言うのが正しい」と思っているのなら、もう一度、考えてみてほしい。

「自分が置かれている環境が黒か白か」と、「自分にとって責任感とは何か」を。

文:松本えつを

▼松本えつをの子育てあるある▼

◆ 文・ストーリー構成:松本えつを(役名:きのこ)

絵本作家・エッセイスト・コピーライター。2007年、8年間役員をつとめた出版社から独立。2008年、出産後の出血多量で死にかけるも一命をとりとめたことをきっかけに、女性が働きづらい社会を少しでも変えたいと一念発起。以降、ニッポンの女性アーティスト・クリエイターの自立支援を目的とした教育&プラットフォーム事業を立ち上げ、多くの女性たちの声を聞く。2014年、クリエイターを対象としたマンガコンテンツ “ クリエイターあるある in 日影工房 ” を企画・制作。これまでの著書の大部分は大人の女性を対象としたものとなる。代表作に『バンザイ』(サンクチュアリ出版)、『ユメカナバイブル』(ミライカナイブックス)等。

クリエイターあるある in 日影工房
ウーマンクリエイターズカレッジ「絵本の学校」

◆ 絵:ささはらけいこ(役名:もじゃ)

1984年北海道生まれ。金沢美術工芸大学油画専攻卒。東京クリエイターアカデミー(現ウーマンクリエイターズカレッジ)を経て、2010年よりイラストレーター・絵本作家として活動を始める。2014年から “ クリエイターあるある in 日影工房 ” の作画を担当し、「もじゃ」役として出演。2015年におまんじゅうのような子どもを出産し、テンヤワンヤで子育て真っ最中。
ささはらけいこポートフォリオサイト「星ふるモジャモジャの丘」

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