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【マンガ】「妊婦が摂ってはダメなもの」が超気になる人は要注意! ムダに窮屈な暮らしの弊害【松本えつをの子育てあるあるvol.11】

同じNGでも「絶対にダメ!」なのか「できるだけ避けるべき」なのかをちゃんと知ること

今回のマンガの中に登場したNG項目には、本当に「雑」なものが多い。

お酒は妊婦の敵っ! 誘いに乗らないように。
→ 日本では妊婦はアルコールを摂取してはいけないと医師からも指導がある。たしかに、1日あたり一定量以上のアルコールを摂取すると胎児に悪影響が出るリスクが高まるというデータが出ている。ただし、欧米では1日にビール250mlまでは胎児への影響があるとは言えないとしている。さらに、セリフ通り「誘いに乗らないように」というのであれば、「飲み会への参加自体も禁止」ということになる。禁酒ならまだ意味がわかるが、飲み会に参加することさえもNGになる意味はわからない。
副流煙を避けて生きるように!
→ 避けたほうがいいに越したことないけれど、副流煙を数回浴びただけで死にはしないし、たとえば、それが理由で喫煙者の旦那さんを目の敵にするくらいなら、夫婦で話し合い、譲歩し合って穏やかに暮らしたほうがいいヨ。それに、「避けて生きる」って具体的にどういうこと? もしや……飲み会に参加することがNGな理由も、これか!?
生魚や生肉は食べないように!
→ 「妊娠中に免疫力が低下するから、食中毒やトキソプラズマなどの感染に注意が必要。なるべく避けましょう」ということであって、1度でも食べたらアウトということではないよね? ひどいときには生もの全般ダメって情報もあるけど、女性の多くは生ハムもチーズも大好きだヨ♡
風邪グスリとか飲んじゃダメ!
→ 薬はすべてダメなのではない。どんなにしんどくても飲んじゃダメって言われると風邪をひかないように無菌室に入らなければならなくなる。薬にも種類があって、処方薬なのか市販薬なのか、妊娠禁忌薬なのかそうでないのか、ちゃんと調べて選べばよいだけのこと。妊娠がわかる直前に市販の風邪薬を飲んだことを悔いて中絶を検討した人もいるらしいが……え、ちょっ、なんでそうなるの?
キムチとかインスタント食品とか
→ 塩分の取りすぎで高血圧を招く恐れがあることや、辛さの刺激が胃に悪いこと、また、匂いによってつわりへの影響があるなどの理由で食べ過ぎには注意とされているけれど、適量だったらむしろ摂ったほうがいいらしいヨ。
甘いものも……甘いものも……
→ 甘いものをちょっとでも摂ったらアウトですか? ケーキもチョコもクッキーも和菓子もダメ? そんなわけないじゃないですか。それ全部禁止してたら発狂しちゃうよね。胎児もビックリだヨ。

ふぅ……。

ここにあげただけでも、いかに情報がゆがんで伝わってしまっているかがわかる。
「なぜダメなのか」、そして、「どの程度ダメなのか」は、ちゃんと自分で確認しないとね!

情報は、それが何かに経由されて伝わるたびに、「極端に表現」されていく傾向がある。
だから、どうしても、伝達回数が多いほど、「なるべく避けよう」という表現や「摂りすぎに注意しよう」などの表現が、いつの間にか「絶対ダメ!」になってしまうことが増えるのだ。

でも、ちゃんと「信頼できる情報」を選りすぐる癖をつけていれば、同じNGでも「絶対にダメ!」なのか「できるだけ避けるべき」なのかを判断することができるはず。

前項で情報の見わけ方を書いたが、医療機関や学会などは、不特定多数の人に向けて適用可能な言い方・書き方をすることが多い。
なぜなら、何か問題が起きたときに「大丈夫って言ってましたよね?」と責任を問われることがないようにするため、つまりはリスク回避のためだ。

また、テレビやインターネット、雑誌などの情報は、よりインパクトの強い言い方・書き方をする。
これは、言うまでもなく、PV数や視聴率、売り上げ部数などのためだ。

発信元の立場を想像すれば、情報にどのようなレベルでフィルターがかかっているか、見当をつけやすくなるのではないだろうか。

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