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自然災害に強い地域とは?|カンタンにできる調査方法を伝授

2018/12/25

ブロガー

この記事を書いた人

関西地方在住のブロガー。昭和47年生まれの男性という以外は、詳細を明らかにしていない。自身もリーマンショックの年の2008年に新築マンションを購入し、住宅ローンを借りている。
インターネット上には家の購入や住宅ローンを選ぶときに役立つまともなサイトが少なすぎるという思いから「千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える」及び「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」を運営しており、一般の人からの住宅ローンや不動産購入についての相談に無料で答え、個人を特定できない形でその質問と回答を公開している。

万が一の事態に備えて自然災害に強い地域を選ぶのはとても大切。

こんにちは、ブロガーの千日太郎です。今年は地震に大型台風と自然災害に見舞われた年でした。西日本豪雨と台風21号の甚大な被害が記憶に新しいですが、近年はゲリラ豪雨などの集中豪雨による水害が頻発するようになりました。

最近はウン十年に一度の大災害という言葉を頻繁に聞くような気がするんですよ。10年に一度どころか毎年じゃん、みたいな突っ込みを入れたくなりますね。

これからマイホームを選ぶにあたっては、災害に強い地域かどうか?ということが、利便性に並んで重要になってきています。

住宅ローンを残して……

家が洪水で流されてしまう。
地震で倒壊してしまう、地盤ごと傾いてしまう。

そんなことになったら、それこそ大打撃です。今日は、時間や費用をかけずに災害に強い地域を調べる方法を伝授します。

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地震、水害などの自然災害に強い洪積台地

地震に強い堅い地盤、河川や海に対して高い標高、歩きやすい平らな平地面、これらの条件を満たすのが洪積台地です。

逆に砂丘地帯や三角州、埋め立て地・旧河川跡や池沼跡・水田跡などの人工的な改変地では、水位が少し上がると洪水、地震では液状化現象が起きやすいです。近年、都市化が進んだ地区では該当地域が多いのです。

洪積台地は一般に小規模であり、標高も低め(低地よりは高いですが)で水はけが良く、平坦で洪水や液状化現象の心配がありません。長期にわたって自然災害の被害を受けることが無かったので、歴史的建造物が残っている地域にも多いです。

洪積台地とは

台地ですから台形の形をしています。たとえば平野や平原は標高が低くて平らですが、台地は少し標高が高いところ、というイメージですね。

洪積台地の断面図

洪積台地の断面図

上の平らな部分が台地面、坂道になっている部分が台地崖(だいちがい)、ふもとの部分を崖下(がいか)と言います。

昔からの集落が多いのは崖下ですが、自然災害に最も強いのは台地面です。一番弱いのは台地崖ですね。坂や崖になっていますので、そもそも家を建てるのにはあまり適していません。

災害に強いのは水田の多い地域よりも畑や果樹園の多い地域

昔から集落が立地しやすかったのは、崖下です。水を得やすく水田を作りやすいからですね。洪積台地の崖下は地下水脈が多く井戸を掘っても比較的スグに水がわき出し水を得やすいのです。

崖下は水田を作るのに適しているのと同時に液状化現象が発生しやすい場所です。液状化現象とは、地震の際に、地下水位の高い砂地盤が振動により液体状になる現象ですので地下水を得やすい地域はこうしたリスクを負っているということになります。

台地面は水が得にくいので、水田は少ないですが台地の内部にも水(宙水)があり、小規模な集落は形成されていました。台地面では水田は適していませんが畑や果樹園などが適しているので、多く見かけると思います。

全国の主要な台地

全国の台地を一挙紹介!

全国の台地を一挙紹介!

全国の主要な洪積台地をご紹介しておきましょう。

武蔵野台地

関東平野西部の荒川と多摩川に挟まれた面積700キロ平方メートルの広大な台地です。

その範囲は東京都区部の西半分、立川市、福生市、青梅市東南部などの市部の一部、そして所沢市など埼玉県の入間地域や志木市などを含んでいます。

大宮台地

関東平野中央部、埼玉県川口市から鴻巣市にかけて広がる関東ローム層からなる洪積台地です。

西を荒川および荒川低地、東を元荒川および中川低地に挟まれて南北に長く、北部は細く、南部に行くほど東西に厚くなる三角形をしています。

下総台地

埼玉県東部から千葉県北部一帯にかかる台地です。

埼玉県東部の江戸川沿いの地域から千葉県北西部の野田市や船橋市にかけての台地と、千葉県北東部の成田市や香取市を中心とする台地とに大別されます。標高は概ね20~40メートルであり、なだらかな起伏が続きます。

熱田大地

愛知県名古屋市の中心部にある台地です。 おおよそ東西に堀川から池下・今池付近まで、南北に名古屋城から熱田神宮まで、大曽根から笠寺まで約10キロメートルに広がっています。

沖積低地との境界が比高5~10メートルの崖や坂になっていて、名古屋城は台地北西端の隅を利用して築城されています。

御器所台地

愛知県名古屋市の台地で、北は名古屋市千種区鍋屋上野町から南は瑞穂区井戸田町に至るまでの台地です。

規模は南北に約7.5キロメートル、東西に約2キロメートル。標高は5メートルから30メートルで、東から西に向かって低くなっています。

上町大地

大阪平野を南北に長さ約12キロメートルに及ぶ台地であり、大阪の歴史の発祥地であり、要所でもあります。

北部は大阪市中央区の大阪城、天満橋の辺りで、そこから緩やかに小山を形成し、天王寺区上本町の大阪上本町駅付近で台地の頂に達し、そこから下りとなって阿倍野区周辺を経て、南部の住吉区・住吉大社付近に至り、その辺りでほぼ平地になり清水丘を以て終わります。

ハザードマップでも安全地帯は台地に多い

洪積台地は一般に小規模で全国に点在していますので前述の主要な台地以外にも「名もなき」台地が点在しています。どこが台地なのか?みたいな台地マップがあれば便利ですが、それに近いのがハザードマップです。

ハザードマップは、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものです。予測される災害の発生地点、被害の拡大範囲および被害程度、さらには避難経路、避難場所などの情報が図示されています。

  • 河川浸水洪水:洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ
  • 土砂災害:各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域
  • 地震災害:防災情報提供センター – 国土交通省
  • 火山防災:砂防:火山砂防・火山防災 – 国土交通省
  • 津波浸水・高潮:津波・高潮防災ステーション

市町村では住民が円滑かつ迅速に避難するために浸水想定区域地図に浸水情報の伝達方法や避難場所に関する情報を記載したもの(ハザードマップ)を公表していますね。

浸水想定区域とは、河川の氾濫により住宅などの浸水が想定される区域です。

  • 0~0.5メートル:大人の膝までつかる(床下浸水)
  • 0.5~1メートル:大人の腰までつかる(床上浸水)
  • 1~2メートル:1階の軒下まで浸水する
  • 2~5メートル:2階の軒下まで浸水する
  • 5メートル以上:2階の屋根以上が浸水する

台地ならば標高が低いといっても10メートル程度は標高がありますので、浸水想定でも安全地帯になります。

災害に強い台地を簡単に見つける方法

災害に強い地域、実は簡単に調べられるんです!

災害に強い地域、実は簡単に調べられるんです!

ハザードマップで安全な場所を探すのも一つの方法ですが、ちょっと面倒ですよね。その物件が自治体の出しているハザードマップのどこに位置するか?簡単に重ね合わせられるようなアプリがあります。

国土交通省ハザードマップポータルサイトでは住所を入力するとそこを中心としたハザードマップを見ることが出来ます。
国土交通省ハザードマップポータルサイト

また、自分が検討している物件が洪積台地の上にあるのかどうなのか?簡単に知ることができるのは、ズバリ住所の地名です。昔からある地名はその土地の特性を表したものが多いです。台地に多い地名をざっと列挙してみましょう。

台地には〇〇ヶ丘というのが多いですね、私の住む関西では上町台地という洪積台地がありますが、その中に四天王寺前夕陽ヶ丘という駅もあります。大阪の中でも高級住宅街です。

四天王寺は歴史建造物です。こうしたものが残っているのが台地の特徴でもありますね。ちなみに上町台地で最も標高の高い場所は大阪城です。やはり時の権力者は一番良い場所に居住地を建てるものなのですよ。

そうした法則からすると、昔からある役所のある場所も良いです。城下町では昔の藩邸が後に県庁になったという話もよくききますし、災害時に最終的な避難場所になるのは役所ですからね。役所の近くというだけで災害に強いと言えます。

山(山手、山の手)

〇〇山というと、まんま山ですけど。市街地のなかにも〇〇山と名のつく地名がありますよね。また〇〇山手というような地名もそうです。私の住む関西では甲南山手がそうです。大阪では帝塚山もそうですね。

そもそも山の手(やまのて)とは、低地にある下町に対して、高台にある地域を指す言葉で山手(やまて)ともいいますので、地名に「山手」と名のつくところは台地です。

東京ではあまり「山の手」という言葉が地名に入ることが少ないですが、麹町・芝・麻布・赤坂・四谷・牛込・小石川・本郷が山の手として認識されている地域ですね。これらはまさに地理的に武蔵野台地の東端にあたるところです。

〇〇台というのも、わかりやすく台地の地名ですね。新興住宅地の地名としても目にしたことが多いと思います。

新興住宅地の台地の注意点

標高が高く、平らな台地ですが、中には元から台地とは限らず、山を削って台地のようにしただけの台地もあり、そうした台地も前述のような地名が付いていることがあります。そうした場合はむしろ地滑りのリスクがあります。

また、洪積台地そのものは地盤が強く建築基礎地盤として最適ですが、洪積台地内の谷間を土で埋めたり、端っこを土盛りして宅地面を広げたりして開発地の宅地面積を広げることは珍しくありません。

こうした場合、標高が高いですから、津波や洪水の心配は無いですが、地震の被害はあり得ます。

まとめ

これから何十年と住む地域のことは、外から移り住む人には分からないことが多いです。

そこの地盤は本当に地震に強いのか?
水害で浸水しやすい地域は?

昔から住んでいてその土地について熟知している人でも何となくしか分からないことですし、こればかりは現地をどれだけ歩き回っても分かるものではありません。

しかし、災害に強い地域には、歴史的な建造物が残っていたり官公庁の庁舎があったりと、言われてみればなるほどと思う事実があるものです。そうした地域はもちろん人気で値段もお高い場合もあるでしょう。

ただ、その価値はブランドだけではなく、自然災害への強さという実質的なバリューに裏打ちされているものならば、お金を払う価値はあるんですよね。

地震への強さというと、ハウスメーカーやデベロッパーは構造の強さをアピールしてきますが、地盤の強さというのはさらにその基礎になるものです。ぜひ、家を選ぶときの参考にしてくださいね。

文:千日太郎

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